法曹・官憲・役人こそ、社会閉塞の黒幕
224515 異常な検察とマスコミ(4)
 
孫市 ( 会社員 ) 10/01/17 PM08 【印刷用へ
『今この時&あの日あの時』より転載です。
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小沢一郎vs旧体制維持勢力− 全面的最終戦争 !?

 13日東京地検特捜部が、小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」、個人事務所、元秘書の石川衆院議員の議員会館や地元事務所、さらには大手ゼネコン鹿島本社や東北支社を一斉捜索しました。
 本来は内閣府に属する一行政機関である地検特捜部が、あろうことか通常国会を間近にしたこの時期に、与党幹事長の疑惑に対して一斉捜索を行うなど前代未聞の出来事です。自民党政権時代ならおよそ想像も出来なかった事態です。「どうだ、分かったか。オレたちの方が、今の内閣総理大臣や幹事長などよりずっと力が上なんだぞ」ということを内外に誇示するかのような出来事とも思われます。

 おそらく地検特捜部が当初思い描いていたところでは、その後の政治的スケジュールからして、「小沢逮捕」に持っていくには昨年末あたりがベストと考えていたのではないだろうかと思われます。
 それで思い出されるのが、12月はじめ頃の関西の某テレビ番組でジャーナリストの勝谷誠彦氏が漏らしたという、「12月15日頃、“大物”を入れるために東京拘置所に全国から刑務官が集められている。そういうことは田中角栄の時以来らしいよ」という発言です。『薬物汚染シリーズ』で押尾事件を追い続けていた私は、『ひょっとして森元総理が逮捕されるのか?』と思っていましたが、今考えてみれば「田中角栄以来の大物」とは小沢一郎だった可能性が高かったわけです。

 年明け間もなくから通常国会が始まるなど、その後の政治的スケジュールを考慮すると、やはり12月15日“Xデー”がぎりぎりのタイムリミットだったと考えられます。勝谷氏の発言を知っていた人たちはその日を注目していたことでしょうが、結局その日は何も起こらず過ぎてしまいました。
 ということは、地検特捜部はその日に小沢一郎を逮捕できるような決定的な決め手を掴めなかったということなのだろうと思われます。

 それから今回の物々しい“ガサいれ”までの1ヵ月弱、しかも年末年始を挟んだ期間に、特捜は決定的な何かを掴んだというのでしょうか?
 岩手県の何とかダム建設受注の見返りに、鹿島経由で水沢建設が小沢側に1億円云々とさかんに報道されています。これもどうせ特捜のリークに違いありませんが、それを示す確実な資料なりがなければ、それは単なる憶測に過ぎなくなります。今現在までテレビなどがまるで鬼の首でも取ったかのように、この問題について流している情報も全部その類いです。

 今回ガサ入れした中には、「陸山会」など昨年3月の西松建設事件の際既に捜索した所が含まれています。前回捜索して有力な資料等が見つからなかったのに、「ひょっとしてして今回は見つかるかも」ということなのでしょうか?
 そうしてみると検察は「乾坤一擲の大勝負に出た」というよりは、追い詰められて破れかぶれでガサ入れを決行したとも思われてきます。検察に詳しいジャーナリストの須田慎一郎氏は、「検察はハチャメチャだ」として次のように言っています。
 「このタイミングの強制捜査にはびっくりしました。だって、なにも筋立てがないんですよ。(略)誰がいつ、どういう趣旨で、どういう金を渡し、どんな請託をしたのか。こういう筋立てがあって、その裏付けのためにガサ入れはするんです。ところが、小沢幹事長の疑惑は、土地購入費用の4億円の原資に大手ゼネコンの裏献金が充てられていたのではないか、という漠然とした憶測しかないのです。だから、法務・検察内部では小沢氏を立件するのは無理だと見ていた」。

 そのため樋渡利秋検事総長など検察上層部は、次の検事総長人事などをめぐって、「政治的幕引き」が話し合われていたというのです。佐久間達哉特捜部長など現場とはかなり温度差があるようで、上層部に強く反発して今回のガサ入れにつながった側面もあるようです。
 そもそもそれまでエリート街道まっしぐらの佐久間は、08年検察の花形である特捜部長に就いたはいいけれど。以来以前手掛けた旧長銀事件の最高裁判決、佐藤前福島県知事収賄事件と続けて“ヘタ”を打ち、汚名返上とばかりに、今回の小沢問題に賭ける意気込みは半端ではないというのです。こんな私的な理由で、国政を左右しかねない行動を起こされてはたまりません。

 上記の須田氏は、「検察には“隠し玉”などないのでは。あればとっくに出していますよ」と言っています。今後とも執念深くこの問題の捜査は継続していくわけで、決して予断は出来ませんが、そんなこんなで今回の一斉捜索は、地検特捜の苦し紛れとの可能性もあるのです。今月中にも別のゼネコンにガサ入れか、という情報もあるようですが、いずれにしても通常国会が始まれば検察としても今回ほどの大バクチも打ちづらいことでしょう。
 
 今回の一連の小沢土地問題は、政官財をはじめとした日本社会の各層、各分野に、本当の意味で「政権交代による改革」を浸透させていくプロセスで起こるべくして起きた出来事なのかもしれません。検察、霞ヶ関官僚、各マスコミ、自民党…。各方面に小沢流の改革への反発が相当強いということだろうと思います。彼らは「既得権益」を脅かされるのを何よりも怖れており、そのため何が何でも小沢一郎の政治生命を葬りたいわけです。
 そのため彼らは、“クーデター”のような地検特捜部の暴挙をこぞって支持しているわけなのです。今や全面対決とも思われる小沢一郎vs旧体制維持勢力との最終戦争、その帰趨はどうなるのでしょうか?

 (注記) 本記事は、夕刊紙「日刊ゲンダイ」を参考、引用しました。

 (大場光太郎・記)
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