暴走する悪徳エリートの所業
223301 暴走する「検察」B〜法務官僚の特殊性〜
 
橋口健一 HP ( 46 大阪 技術者 ) 10/01/02 PM09 【印刷用へ
政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】リンク より部分引用します。
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(前略)
ここで取り上げたいのは、これほどあからさまな国策捜査がなぜできたのかということである。なぜだれも止められなかったのか、と言ってもいい。それには他省庁とは異なった、法務省特有のキャリアシステム、役人の序列があると思われる。

各省庁における役人の最高職位は事務次官である。国家公務員の定年は特殊な専門職を除いては60歳であるが、役人のトップである事務次官だけは62歳である。

ところが法務省は例外である。検察庁は法務省の外局という位置づけである。しかし、法務省での最高ランクは検事総長である。事務次官ではないのである。事務次官は2番目でさえもない。

事務次官の上には更に八つの高等検察庁の検事長がいる。
そして次長検事(副検事総長ともいうべき地位である。)という職がある。これらの職階は事務次官より上とされている。他の省庁であれば、事務次官が上がりの地位であるが、法務省ではそれからまだ先があるのである。(外務省などはやや似たところがある)

検事総長の定年は65歳である。つまり、事務次官は検事総長、検事長の下位の役職であるし、後輩でもある。これでは法務省の役人や事務次官が検察を抑えることなどできるはずもない。

検察を抑えることが出来るのは法務大臣そして内閣総理大臣だけなのである。しかし、法務大臣が検察の捜査に口を挟むことは表向きまずないと言っていいだろう。「指揮権発動」との非難は浴びたくない。内閣総理大臣も同じである。

検察庁は法務省の外局であるとはいえ、れっきとした行政機関である。
法務省にはもちろん公務員T種試験合格者いわゆるキャリア官僚がいる。
ところが法務省では彼等より、検事の方がエリートコースであるという。
そしてエリート検事は検察庁と法務省を言ったり来たりしてキャリアを積んでいく。検事に任官しても、検事だけを経験していくのではなく、法務省官僚としても経験を積んだ正真正銘のキャリア公務員なのである。

●たとえば現検事総長の樋渡利秋(ヒワタリ トシアキ)という人物の経歴。
1968年、東京大学法学部卒業
1970年、司法修習修了(22期)と同時に検事に任官。
その後、東京地方検察庁特別捜査部、法務省官房審議官、大分地方検察庁検事正、司法制度改革審議会事務局長、最高検察庁総務部長、法務省刑事局長などを歴任。
2002年、法務事務次官に就任。
2004年、広島高等検察庁検事長に就任。
2006年、東京高等検察庁検事長に就任。
2008年7月1日、第24代最高検察庁検事総長に就任。

こころみに直近事務次官経験者5人をみてみよう。
原田明夫 - 検事総長
松尾邦弘 - 検事総長
但木敬一 - 検事総長
樋渡利秋 - 検事総長
大林宏 - 東京高等検察庁検事長

いずれも検事総長が最終ポストとなっている。大林宏氏は検事総長への途中の段階にある。東京高検検事長というのは実質ナンバー2の地位である。そして65歳の定年後でさえも彼等には待っていてくれるものがある。

●元検事総長 天下り先の一部 (ウィキペディアより)
松尾邦弘 トヨタ自動車
原田明夫 住友商事、資生堂、セイコーホールディングス、三菱UFJフィナンシャル・グループ 等
北島敬介 大和証券グループ、日本郵船 等
土肥孝治 関西テレビ、阪急電鉄、小松製作所、積水ハウス、関西電力等
吉永祐介 東京海上火災保険、大丸、ベネッセ、出版社エスビービー(高額書籍を脅しまがいの手法で販売) 等
岡村泰孝  トヨタ自動車、三井物産 等
前田宏  日本テレビ放送網、住友商事 等

さながら一流企業の用心棒である。しかしこのようなシステムはおかしくはないか!なぜ法律の専門家たるべき検事が法務省内で行政経験を積まなければならないのか?なぜ検事総長が法務事務次官を経験する必要があるのか?いったい検事の仕事とは何なのか?

実態は、検察省法務庁というところである。検察の政治的中立性というのは幻想に過ぎない、ということをわたしたちははっきりと認識する必要があるのではないか!

検事は検事としての職責を全うすればよい。検事が行政にかかわる必要などない。もともと検事は検事として採用されている。検事に求められるのは行政能力ではない。法律に関する知識と法律によって社会正義を維持しようという正義感であろう。

……しかし独りよがりの正義感、身内だけに通用する正義感というのはなお一層困ったことになるのだが……。
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(引用おわり)
 
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