暴走する悪徳エリートの所業
223244 ■’09年末なんでや劇場ノート3〜近代市場は近世欧州社会の特殊事情の中から生まれた
 
山澤貴志 ( 44 鹿児島 ITコンサル ) 10/01/02 AM00 【印刷用へ
●古代市場で実現しなかった市場の持続的拡大は何故起こったのか?

ルネッサンス運動の拠点となったベネチアの金融力の興隆は、十字軍以前にまで遡る。つまり、十字軍遠征の時代200年を通じて、ベネチアは持続的成長を続けたのだが、このような長期にわたる成長は、他の古代市場では起こり得なかったことである。この古代市場で実現しなかった市場の持続的拡大は何故、ベネチアをはじめとする近世欧州において起こったのだろうか?

その背景には、国家を超えた普遍宗教としてのキリスト教が教団としてのネットワークを形成していたことが大きい。もともとキリスト教自体に騙し的要素が内在されているが、この国家権力を超えた教会権力をうまく利用して(騙して)、教会ネットワークを金貸しネットワークへと変換させたことが、欧州商品市場が国家の枠組みを超えて特殊な長期にわたる繁栄を実現させた原動力である。しかも欧州はイスラムの富を略奪しただけではなく、欧州内での騙しあい、奪い合いも激化させ、欧州全域に「騙せば官軍」というムードが確立していき、多くの貴族や騎士に商人的(投機的)体質が形成されていった。

更にこの200年間で蓄積された原資を活用して、欧州はアジア・アメリカといった世界中に略奪範囲を拡大させ、またしても騙しの市場拡大を成功させる。こうして、「騙せば官軍」という欧州に特殊的な価値観を起点とした近代市場は、ついに世界中の国家権力を凌駕するまでに拡大していったのである。

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