古代社会
22173 「宮廷サロン」では何が話されていたのか?1 成金貴族の台頭と国際紛争
 
阪本剛 HP ( 28 千葉 SE ) 02/01/26 AM00 【印刷用へ
> ヨーロッパでは、些細なことにせこせこしないで、どんどん浪費することがむしろ支配者の美徳とされています。
> たとえば、名君とほまれの高いルイ9世は、側近に「君はもっと良い衣服を身につけなければならない。そうすれば、君の奥さんはもっと君を愛し、君の召使いは君をもっと尊敬するようになろう。」といっています。

 一体、どのような時代がこのような精神を生んだのだろうか?

 「実現論」の第二部を見ると、宮廷サロンという言葉がよく登場する。
 具体的に「サロン」では何が話されていたのだろうか?

 まず、サロン成立の歴史から見ていきたい。

◆背景1 成金上層市民の台頭

 17世紀のヨーロッパでは、オランダがヨーロッパの中心的自由都市として繁栄する一方、その周辺のフランスやイギリスやドイツでは、国王中心の官僚国家体制がほぼ確実なものとなった。

 これらの国々の成金上層市民は、土地を買収して買地貴族領主になるのではなく、官職を買収して買官貴族官僚になった。

 しかし、この成金上層市民は、土地よりも収益の出るようになった官職を資産運用のために自己財産で買っただけで、官僚とはいえ、中世の諸侯ほどにも中央の国王に対する忠誠を持っていなかった。

 また、成金上層市民は、その男子は家庭教師やイエズス会系などの学校や中世以来の大学で学ばせるのが一般的であり、女子の場合も家庭教師や修道院で学ばせることが少なくない。
 このために、彼らは、下品で野蛮な旧来の封建貴族領主を軽蔑し軽視する傾向があった。

 このように高い教育を受けた女性は当時ではまだ珍しく、皮肉を込めて「才女(precieuse)」と呼ばれるようになった。

◆背景2 長期国際紛争の勃発

 一方、王室では、1610年、新旧両教の宗教的紛争を調停したアンリ四世が死去し、その子ルイ十三世がわずか九歳で即位する。

 今度はこの封建貴族領主と買官貴族官僚との対立が激化し紛糾するようになった。

 混迷地域ドイツにおいては、ティコ・ブラーエやケプラーを占星術師として保護した穏健な皇帝ルドルフ二世が死去、次の強硬な皇帝フェルディナント二世が新教を弾圧し始めると、「三十年戦争」が勃発する。

 この戦争には、親旧教のハプスブルグ家(スペイン・オーストリア)、これに親新教のホーエンツォレルン家(プロシア)、ブルボン家(フランス)、ステュアート家(イギリス)、オレンジ家(オランダ)その他の北欧諸国も介入して、またたくまに国際紛争に発展した。

 この結果、ドイツは国土が戦場となって荒廃し、人口も三分の一まで激減。
 妥協的終戦の四八年には、ドイツ諸邦は個々に完全主権を主張、かつての神聖ローマ帝国という連合体制も、まったくの有名無実となった。


 
  List
  この記事は 21959 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_22173
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp