■生物進化上の子育て
(参考 2194)
<単細胞生物、魚類や両生類>
・育児はしない
・オヤコの意味合い→存在しない(新個体を放逐し、環境へと適応してゆくことが重要。というのも生命の根本的な適応原理たる個体(同類他者)の多様化原理が主目的であり、種としての同類他者の変異体を増やすことが求められる)
<原モグラ・一般哺乳類>
・限定的に育児する(保育本能が保育必要期のみ作動する)
・オヤコの意味合い→存在しない(哺乳類は高度化されていくと親和本能によって子がそのまま居残ることになり、多様化という生物の適応原理が損われるので、巣離れor親離れ本能がセットされ、成体になると集団を離れていくようになる。)
<高度な哺乳類>
・育児の期間が延び、母系集団の中で行われる(親和本能の発達した哺乳類の場合、雄の性闘争本能は強化されてゆくが、雌の性闘争本能は衰弱し、若雌は巣離れ本能+性闘争本能≦親和本能となるため、若雄は群れから出てゆき、娘残留の母系集団が形成される。)
・オヤコの意味合い→首雄(=父)と娘の間には親子の認識はない。
■真の村落共同体での子育て(かつての飛騨白川郷など)
(参考 24993、82017)
・育児の共同性が実現している(誰彼の子供の区別が無く乳を飲ませる)
・生産課題(農業)の中に生殖課題が包摂されている
・集団規範に基づく規範がみんなの行動指針となっている
・闘争過程と生殖過程が一体で存在しているので子育てへの期待が大きい
・オヤコの意味合い→オヤ:統合役、コ:労働の単位(ひとつの家庭にとどまらない)
■私権時代真っ盛りの子育て(1970年代以降)
(参考 82017)
・育児の共同性が崩壊している(自分の子、他人の子を明確に区別)
・生産課題(雇われ労働)と生殖課題が完全に分断されている
・私権規範に基づく規範がそれぞれの行動指針となっている
・子育てが個人及び家庭課題へ矮小化されたことで期待がほとんどない
・オヤコの意味合い→オヤ:父母、コ:その父母の子(ひとつの家庭で終始する)
■現在の子育て(最近の意識潮流)
(参考 82017)
・育児の共同性が仲間意識から再生し始めている、ママ友達ネット、子育てサークル(ただし個人に立脚している故の脆さを抱えている)
・生産課題(雇われ労働)と生殖課題が依然分断されている
・私権意識が崩壊しつつある中、集団規範が回復の兆しを見せるが、一部魔女狩り的な行過ぎた規範・秩序収束もみられる(マナーファシズム)
・子育てに関する政策は企業に要求されるが、生産課題(企業)が以前私権追求の目的意識でしかなく、子育てへの期待という形では表れていない
・オヤコの意味合い→家庭私権崩壊により家族自体のつながりも弱くなる |
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