試験・身分制度の根深い害
219746 子どもの「遊び」と脳神経回路の形成
 
岩井裕介 ( 37 山口 再開発プランナー ) 09/11/15 PM06 【印刷用へ
子どもの「遊び」は、脳神経回路を健全に形成していく上で不可欠なもののようである。

日本子ども学会/子どもの不思議 ― 子どもの問題解決能力に関するノート(その1) ―リンク より抜粋引用。
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 生まれたとき400gくらいの脳は4才でその3倍、11才で成人の水準に近くなる。この間が情報選択と応答の基本的な神経回路を構築し活性化する最も大切な時期である。それをないがしろにすると後でいろいろと困ったことになる。

 生まれたばかりの赤ちゃんでも感覚器官と脳の基本的回路の配線はされているが、そこに十分な刺激を与えることを怠ると脳本来の性能は発揮されない。

(中略)

 情報の選択と応答の練習の第一歩はなんといっても遊びであろう。赤ん坊の一人遊びは能動的な情報探査の始まりである。遊びには幼い動物にとって情報の検知・探査・選択・応答の基本的な神経回路を刺激して起動するという大切な役目がある。

(中略)

 幼い子どもがひたすら遊びに熱中するのは、情報の選択と応答の神経回路がつぎつぎとジョイントされていく充足感からなのだろう。だから大人には、子供の自発的な遊びを助長する環境をととのえる責任がある。動物の親は本能的にこの役割を果たしているようだが、今の人間の親たちは果たしてどうだろうか。

 人間でも赤ん坊のうちは情報処理と応答のレベルは他の哺乳動物とあまり違いがない。しかし、幼児ともなると多少複雑な情報に直面するようになり、単純な応答では満足できる結果が得られない。つまり、頭をつかう必要がでてくる。このころから「どうして」と「だって」の連発が始まる。人間の前頭連合野のはたらきは急速な発達をみせ、幼児の知恵はそれまで並んでいたチンパンジーの知能を一挙に追い越す。また、このころ前頭連合野の回路のトラブルといわれる注意欠陥多動性障害(ADHD)がみられるようになる。

 この時期、遊びと同じように重要なのが衣食住と人間関係にまつわる日常生活の基本動作Activities of Daly Life、略してADLの形成である。これは幼児にとって食事、着衣、トイレ、挨拶などのしつけに他ならない。ADLは自立した人間、家族や社会の一員として生きていくのに必要な習慣であり、学習によって身につくものである。このことは多くの高等動物にもある程度はあてはまるようである。

(中略)

 前頭連合野の働きを一段とレベルアップするには、子どもは子どもと遊ばなくてはならない。というのは、同じように実行機能が働いても、しつけは受動的で、その挙動には必ずお手本があるのに対して、子ども同士の遊びは能動的で、動きの形やルールは子ども自身が決めるものだからである。そこから発明や発見が生まれ、創造性が育っていく。遊びの主体はあくまでも子ども、そして自由が鉄則である。はらはらしながらきちんと見守ることが大人の役目なのだろう。
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(引用以上)


●「幼い子どもがひたすら遊びに熱中するのは、情報の選択と応答の神経回路がつぎつぎとジョイントされていく充足感からなのだろう」とあるように、遊びには、対象と主体とを接続する回路≒同化回路を充足回路とともに形成していく作用があるのだろう。

●子どもにとって「遊び」は頭をつかう訓練でもある。したがって、これらの体験は学童期以降の学習能力にも多大な影響を与えるだろう。
219377 子どもにとって、「遊び」は最大の学習課題)
174254 算数脳を育てるには?)

●それだけでなく、対象を肯定的にとらえ主体と接続していく回路は、人間関係の形成、好奇心や探求・追求心、課題実現etc 全てにわたって能力や活力の基礎となる。

●また「前頭連合野の働きを一段とレベルアップするには、子どもは子どもと遊ばなくてはならない」とあるように、子ども同士で遊ぶことは、対象世界を拡げていく上で極めて重要なことと思われる。
 
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