環境
219006 『緑のループ』「緑のループ」編集委員会+舩岡研究室著「森林資源のなめらかな流れ」
 
本田真吾 HP ( 壮年 香川 建築家 ) 09/11/06 AM00 【印刷用へ
緑のループ(森林資源のなめらかな流れ)(リンク

著者の舩岡氏は三重大学の、木質分子素材制御学研究室(リンク)の教授。

注目すべき内容は2点。

1点目は、木質資源の循環注目する中で、自然の摂理の中では、目に見えない炭酸ガスが光合成で目に見える植物の体を形成し、やがては炭酸ガスに帰っていくというサイクルがあること。そして、このサイクルは、目に見えないところまで含めるととても壮大な循環をしていること。

かつ、人間も含めた他の生物もそのサイクルを踏み外しては生きていけないことを、森林資源のなめらかな流れという理論によって説明している。これは、石油文明の限界と今後の生産のありからを考える上で極めて重要な視点になる。

2点目は、その実例として、今までやっかい物とされていた、強固な構造を持つ植物中のリグニンという成分を低エネルギーで分離し、その分子構造を利用したプラスチックに替わる製品を開発していることだ。

このように、石油文明の限界を超えるための、基礎理論と実践課題の双方を追求されている。また、この本は講演会の記録を出版したもので、簡単な言葉でかかれている。環境問題を考えるなら、まずこのような本から、自然の摂理を学ぶべきだろう。

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目次
第一部 基調講演 森林資源のなめらかな流れ
       〜林業から合成化学工業へ〜
はじめに
第一章 森林を流れとして見る

地球の歩み、石油以前 / すり減る地球 / 成り立つ社会とは
化石資源から生物資源へ / 森林からの出発 / 森の中へ
木はどこから来た? / スピード違反 / 炭素股旅物語
集めておくということ / 地球モーターの電源 / 森林の全貌 / 草の流れ
木と草をまちがえると / 自然に沿った流れに
タイムスケールと一方向の流れ / 今やっているリサイクル
次へ送っていくシステム / 前進型に流す

第二章 樹木、その持続的循環システムと内部構造
二つの循環 / 葉っぱの循環(小循環) / 木質の循環(大循環)
利用できるものと残すべきもの / 生きている部分と死んでいる部分
ミクロの世界へ / 木が丈夫なわけ / 森林からの宿題

第三章 森林の流れを制御する物質?その分子設計図を読む
朽ちないもの、リグニン / でも、別の場面では / じゃあ、ほんとはどっち?
安定ということ / 鬼っ子リグニン / 二〇世紀サイエンスからの脱皮
分子のおきて / リグニンのひみつ / なぞを解くキーワードは「流れ」

第四章 森林資源を機能性分子へ
北風でなく、太陽で / 急所をつく / よし! 役者はそろった
そのシナリオ / 分子スイッチ / 現在のとりくみ

第五章 森林資源の新しい展開

で、何ができるのか / ワンウェイからループへ / リグニンの新しい顔

第六章 持続的工業ネットワーク

林業から / 大気から得る / 日本の生きる道 / 明日にかかる橋
 
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220446 ミクロの視点が、森林の世界観を変える1・・・『目に見える「木材」の世界から、目に見えない「分子」の世界へ』 本田真吾 09/11/24 PM07

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自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
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1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
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現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
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