日本人と縄文体質
218804 イギリスの階級社会の現在の実態
 
小澤紀夫 ( 40代 大阪 営業、企画 ) 09/11/03 AM00 【印刷用へ
 イギリスでは現在でも階級社会となっています。その実態を紹介します。

【職業】
 イギリスの階級の指標として人びとに最も重要視されているのは職業です。イギリスの戸籍本署が実施している国勢調査の「階級の分類」というものがあり、この方式では、上流階級の貴族を除いて、社会階級を世帯主の職業によって次の七つに分類されています。

     社会階級T       専門職

     同   U       中間職

     同   VA      非筋肉労働の熟練職

     同   VB      筋肉労働の熟練職

     同   W       半熟練職

     同   X       非熟練職

     経済活動にたずさわっていない者  

                      
 81年の調査結果から上記の階級の職種例を挙げます。

[社会階級T]…法廷弁護士、判事、医師、大学教授・研究者、建築家。  

[社会階級U]…国会議員、事業経営者、会社重役、農場主、新聞記者、教師、警部。

[社会階級VA]…不動産業者_製図工、写真家、銀行事務員、秘書、警官。

[社会階級VB]…電気技師、バス運転手、コック、大工、家具職人、配管工。

[社会階級W]…農場労働者、救急隊員、郵便配達人、ウェイター、漁師

[社会階級X]…ビル掃除人、土木作業員、窓掃除人、日雇い労働者

 以上のような分類を、前に挙げた五つの分類に当てはめると、上層中流階級がT、中層中流階級がU、下層中流階級がVA、労働者階級がVB以下というところでしょうか。

【教育】
 次に、階級の第二の指標である教育を紹介します。イギリスの義務教育は、5歳から16歳までの11年間です。義務教育が終わると、GCSEという全国共通のテストがあり、結果は、得点によってAからGまでのグレード及びU(採点不能)がつけられます。また、GCSEが終了すると、進学を希望する生徒は、二年間シックスフォームと呼ばれるコースに通い、大学進学に必要なAレベルの試験を受けます。私立学校では、パブリックスクールと呼ばれる13歳から18歳までの学校があります。そこに通う生徒も、GCSE、Aレベルといった重要なテストは、公立校に通う生徒と同じように受けます。前述の職業による七分類を見ても、ランクの高い職業のほうが、より高度な知的技能を身に付けている、つまり、高い学歴を持っているということです。

 ここまでは日本の教育制度と類似していますが、大きく異なるのは、教育による階層移動が小さいということです。子供の学歴が父親の階級によって決まり、階級が再生産されるのです。

 イギリスの教育制度では、大学に行くためには、それ程金はかからないが、パブリックスクールに行くには、多額の寄付金と授業料が必要となります。そして、大学に進学するのは、パブリックスクールに入っていなければ難しい。このため、大学やパブリックスクールは、金のある上流階級や上層中層階級のためのものになっています。

 八八年のイギリスの大学進学者七万九千人のうち、69.1%はいまだに大学教授、弁護士、医師、科学者、イギリス国教会の教区牧師、国会議員、大企業の重役、管理職など、中層中流階級以上といわれる職業の家庭の子弟で占められています。これに対して、銀行事務員、レストラン経営者、コックなどの熟練職の子供は約23%、農場労働者、ビール醸造人など半熟練職の子供は約6%となっており、土木作業員、港湾労働者など非熟練職の親を持つ家庭の出身者は1%をわずかに上まわっているにすぎません。
 
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