現代意識潮流を探る
217819 ’70年代 電通の広告戦略
 
きっちょむ ( 41 大阪 会社員 ) 09/10/22 AM07 【印刷用へ
市場が縮小過程に陥っていくなかで、無理矢理市場拡大のため(もっと買わせるために)に広告代理店がとった広告戦略を紹介したい。これを読むと現在でも心当たりのあるものばかり。

以下に紹介する電通の広告戦略は1970年代の初めに謡われたものらしく、70年3種の神器が行き渡り貧困が消滅し、無理矢理市場拡大が必要とされた時期と整合する。

市場縮小という現実を受け入れず、無駄な浪費を扇動した彼ら統合階級の罪は大きい。

それでも結局広告戦略に踊らされ、無駄なものを買わされ続けてきたわけだがブログ筆者曰く、その無駄とは資源やエネルギーだけでなく、それらに費やされた「我々の労働」という言葉は本質をついていると思う。


以下tsurumi's text鶴見済 公式ブログより
リンク
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電通の広告戦略を分析する
「買うことだ。どんなものでも」――アイゼンハワー元米大統領(1957年の大恐慌以来の不況時に、景気回復のため国民は何をするべきか、と聞かれて)


70年代の初めに某大手広告代理店(電通と言われている)によって謳われた、以下の「広告戦略十訓」(註1)が我々を戦慄させるのは、まるでアイゼンハワーの景気対策のように、それが今も変わらずに生きているからだ。


1.もっと使わせろ 2.捨てさせろ 3.無駄使いさせろ 4.季節を忘れさせろ(註2) 5.贈り物をさせろ(註3) 6.組み合わせで買わせろ 7.きっかけを投じろ 8.流行遅れにさせろ 9.気安く買わせろ 10.混乱をつくり出せ


これらの元になったとされる、アメリカの社会学者V・パッカードがまとめた「浪費をつくり出す戦略」(註4)もあわせて読むと、よりわかりやすい。こちらは50年代のアメリカで使われた販売戦略をまとめたもので、ここではその7つの枠組みに自分なりの解説や今風の事例も含めた(註5)。


1.もっと買わせる戦略

 共有から、一部屋にひとつ、一人にひとつ、さらには一人に複数へ(註6)。例:男性用・女性用別の整髪剤、朝にもシャンプー。

2.捨てさせる戦略

 使い捨て化して、使うたびに買わせる。例:紙製の食器、使い捨て容器、使い捨て傘、使い捨てカメラ、使い捨てコンタクトレンズ、使い捨てカートリッジ……。

3.計画的廃物(陳腐)化の戦略 

 a)物理的陳腐化 丈夫・頑丈には作らない。

 b)機能的陳腐化 今持っているものは機能的に劣っていると感じさせる(実際には、新製品に余計な機能が増えているだけにすぎなくても)。

 c)心理的陳腐化 最も重要。今持っているものが流行遅れだと感じさせる。例:年に何度も発表される携帯電話のニューモデル。

4.混乱をつくり出す戦略

 価値の判断を鈍らせる。例:「3個で○○円」、無料サービス品の添付、通話料金の割引制度。

5.月賦販売による戦略

 クレジットと分割払いで、現金がなくても、今買えるように。

6.快楽主義を植えつける戦略

 a)浪費の正当化──「消費は美徳」という価値観の植えつけ。

 b)浪費の口実を与える──本日限り、期間限定価格、記念日などの活用。例:「イースターは新しい靴で」「バレンタインデーには男性からもチョコを」。

 c)便利さの提供──すぐに作れる、すぐに使える、すぐに届けられる(気安く買わせる)。例:ファストフード、ネット販売。

7.人口増加を利用する戦略

 大勢の人は単に大きな市場と見なす(若者・子ども市場には“将来の顧客”も含まれているので特に大事)。例:団塊ジュニアへのマーケティング、中国・インドへの進出など。

細かくやっていると切りがないので、あとはパッカードの本を図書館で読むなどして、自分で今風の事例を探してみてほしい(この本は今でも身に覚えのある事例で溢れかえっているが)。こんな戦略の宝庫である家電用品店、コンビニ、ドラッグストア、服屋、レコード屋、スーパー、デパート等々もこういう視点で見て回れば、楽しめる場所になるかもしれない。

では、これらの戦略によってムダになっているものは何か? もちろん資源もエネルギーもムダになっているが、一番取り返しがつかないのは、これら全てに費やされている「我々の労働」なんじゃないか。

買わされている側はもちろん、買わせている側も反乱を起こすべきだ。「こんなくだらないこと、やってられるか!」と。
 
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