国家の支配構造と私権原理
216775 古代インドの官僚制 武力支配を維持するため、官僚(徴税官)が登場
 
小暮 勇午 ( 32 京都 路上人 ) 09/10/09 AM00 【印刷用へ
紀元前3世紀ごろ(2300年前ごろ)、北インドを中心に強大な帝国が登場する。アショカ王の下で発展したマウリヤ朝である。『歩兵60万、騎兵3万、戦車8000、象9000』という当時世界最大の軍隊を保有し、対抗できる国家は存在しなかった。

マウリヤ朝には、巨大な軍事機構が存在したばかりか、洗練された行政機構も存在していた。
--------------------------------------
リンク
中央には20の官庁がおかれ、地方は州に分割されて、王子が統治にあたった。役人は整然と位階に分かれ、現金で給与が支払われていた。スパイも各地に放たれ、不穏な動きを監視するとともに各種の秘密工作にあたった。
--------------------------------------

巨大な軍隊、それを統治する機構、そして官僚機構。磐石な体制を整えていると思われたマウリヤ朝も、アショーカ王の死後、すぐに崩壊する。

なぜか?
武力による領土拡大を図り、それを維持するためには、巨大な軍事力が必要となる。この巨大な軍事力を維持するためには、徴税のための官僚機構を備えなければならない。そして、徴税による民衆の反発を抑えこむためには、さらなる軍事力を必要とする。
巨大な軍隊と官僚制を維持するため、マウリヤ朝においての経済統制は最重要課題となり、27もの経済閣僚が置かれることとなる。武力支配国家の維持を可能とする税の確保のため官僚制度が肥大化し、それを支える経済活動を統制するために更に官僚制度を拡大せざるをえない。この「軍事力と官僚制の罠」に嵌ってしまったのである。
 
  List
  この記事は 216343 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_216775
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
軍と官僚制の罠 〜古代国家の官僚制〜 「縄文と古代文明を探求しよう!」 09/11/05 PM01
216776 古代中国の官僚制 軍隊と官僚制の罠 小暮 勇午 09/10/09 AM00

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp