科学データ
216098 微生物が田んぼを電池に変える(1)
 
のりだぁ ( 27 大阪 「社会」人 ) 09/09/30 AM00 【印刷用へ
石油、原子力等のエネルギーに替わる新たなエネルギー(燃料)とは何なのだろうか?
「マグネシウムがエネルギーを生む社会!!(206517)」ではマグネシウム燃料の可能性が示されています。まだまだ実現性には欠ける部分もありますが、循環系のエネルギーの研究で「微生物」が酸素呼吸をする際に出す余剰エネルギーを電力に替えるという面白い記事を見つけたので報告します。

微生物が田んぼを電池に変える
リンク)より引用
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●電流発生菌は私たちの身近にいる

微生物燃料電池は、エサとなる有機物を与えてやれば発電します。

有機物には高いエネルギーが含まれています。私たち人間はこれを食物として取り込み、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー通貨に変換し、生きているのです。有機物に含まれていたエネルギー準位の高い電子からエネルギーを取り出しているわけで、最後にはエネルギー準位の低くなった電子をどこかに捨てる必要があります。

この電子を酸素に渡して、二酸化炭素と水を生成する過程こそ、私たちが行っている呼吸です。酸素がないと人間は窒息死してしまいますが、それはエネルギー準位の低い電子を捨てる場所がなくなってしまうからだともいえるでしょう。

微生物でも基本的にはまったく同じことが行われています。ただし、電子を渡す先は酸素でなくともかまいません。二酸化炭素に電子を渡すと、メタンが生成されます。牛がゲップを出すのは、酸素がなくとも生きられる微生物がメタンを作るから。田んぼの底からぶくぶく泡が出てくるのも同じ反応です。

二酸化炭素に電子を渡すということは、酸素に渡す場合に比べてまだまだエネルギーが残った状態で渡していることになります。先にも述べたように、酸素呼吸では微生物は取り入れたエネルギーのうち、1/3程度しか利用せず、残りの2/3を捨てているのです。

面白いことに、電子を二酸化炭素ではなく、電極に直接渡せる微生物もいます。それが、電流発生菌です。

電流発生菌自体は100年ほど前に発見され、そこら中の地中や水中、どこにでも見つかります。電流発生菌から電気を取り出す試みも行われましたが、電流密度が低いため実用にはならず、それほど研究は盛んではありません。

電流発生菌に有機物を与えると、流れる電流が急速に増え、あるところまで来ると一定になります。さらに電流発生菌を増やしても、発生する電流は変化しません。電極に電流発生菌が取り付いているのですが、電極の面積は限られているため、離れた場所にいる菌は電極に電子を渡すことができないのです。

●微生物同士の共生関係を活かせば、電流が増える

酸化鉄ナノコロイドを入れると、発生する電流が50倍になる。有機物が足りなくなると電流発生量は減るが、有機物を追加すれば回復する。

〜(中略)〜

例えば、代表的な電流発生菌であるシュワネラ菌は、海底火山の地殻から採取されました。地球科学の研究者に訊くと、深海から微生物を採取すると必ず酸化鉄や硫化鉄がまとわりついてくるのだそうです。

そこで、シュワネラ菌のいる培養液に酸化鉄のナノコロイド(酸化鉄の微少な粒子が液体に溶け込んだもの)を加えたところ、電流の発生量がぐんと増えました。しばらくすると電流は減り始めますが、エサの有機物を追加すれば、また電流が出るようになります。微生物だけの場合に比べて、50倍以上の電流が発生するようになりました。

──いったい何が起きたのですか?

酸化鉄ナノコロイドが糊、および電子伝達を仲介する物質として働いているものと考えられます。微生物の放出した電子が酸化鉄ナノコロイドに移り、酸化鉄ナノコロイドからまた微生物に移るというホッピングです。これによって、電極から離れたところにいる電流発生菌も電子を受け渡すことができる、つまり呼吸して生き延びられるようになったのでしょう。

さらに、鉄イオンと硫黄イオンを加えると、微生物が硫化鉄を作り始め、電流の発生量は200倍になりました。今までも微生物が硫化鉄を作ることは知られていましたが、これがエネルギー変換に関係することは知られていませんでした。

〜(2)に続く〜
 
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