市場主義は、今や、生命そのもの=種自体を商品として独占し、販売している。
◆インドのコメがアメリカの特許に
インドの科学者バンダナ・シバは、1997年のある日、新聞記事を読んで驚いた。
アジア地域で最もよく知られた独特の風味をもつコメのバスマティ(Basmati) 米に対して、米国のライステック社(RiceTec)が変種のバスマティ米で米国で米国特許(USP 5,663,484)を承認されたという記事だった。
インド名産のバスマティ米をアメリカに持ち帰り、その遺伝子を少し変えて特許を取り、バスマティ米と名うって売り出したのだ。
これはインドとネパール、パキスタンの数百万の輸出用バスマティ米を耕作する農家にとって、大問題になる措置だった。
◆特許化された種
特許化された種では、特許料を払わなければならないか、又は種子をとっておくことは禁止される。
種の特許を押さえられれば、将来、自分たちの作った米を売れなくなるおそれがある。
シバは、アメリカ政府に抗議するよう、インド政府に訴えた。
シバの呼びかけに応じた世界中のNGOが、アメリカ政府に抗議の電子メールを送った。
訴えを受けたアメリカの特許商標庁は、2001年8月、バスマティ米の特許の大半を取り消した。
◆種の防衛
アメリカは、ソフトウェアから、医薬品、生物の遺伝子にいたるまで、「特許」を取ることで、自国の産業を優位に立たせようという戦略だ。
現在の国際貿易の体制では、このような「独占」を阻止できない。
シバは、「種子銀行」という試みを進めている。農民同士で農作物の種を守り、分け合うのだ。
インド全体で、約5000の農家が参加し、銀行は「20」に増えた。
参加者はこう考えている。
「富は地域の暮らしの中にある」
資料;
朝日新聞
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