現代意識潮流を探る
215285 若者の収束先は解脱から社会へ
 
小西良明 ( 20代後半 会社員 ) 09/09/18 AM01 【印刷用へ
いつからか、「若者の人付き合いが悪い」という話をよく聞くようになった。特に飲みやカラオケに代表される「遊び」の面においての話だ。「空気が読めない」「自己中」などと悪いイメージが先行しがちなようだが、社会情勢の変化と合わせて考えると、原因は不全の発生要因の変化にあるように思われる。

1970年位までは、私権が価値観の第一を占めていた。それは「自分の利益優先」という性質故に、一部の人間達のみが満たされ、多くの人が私権不全の状態であるという構造を作り出した。

その私権不全は「自分」の内面から出てくるものである。そのため、誰かに愚痴を聞いてもらったり、飲んで騒いで忘れたりすることで解決した。つまり自分発の不全なので自分の中で解消すれば良かったのである。だから解脱充足を得られる行動に魅力があったと言える。


しかし、70年代以降、貧困が解消されて私権圧力が弱まってからは、この構造に変化が生じる。

これまで社会は私権原理で成り立っていたが、それが崩れたことでどうすれば良いのか分からなくなってしまった。これは「答えが分からない」という収束不全であり、出所は自分発ではなく社会発である。これまでのように飲んで騒いで自分の中で消してしまっても、社会の状態は変わらないので解決しない。

世代が若くなると、そもそも私権圧力の低い時代に生まれ育っているため、ますますこの傾向が強くなる。故に、飲んで記憶を無くすような解脱行為にそれほど意味を見出せず、遠ざかるようになるのではないだろうか。

冒頭にも書いたが、この現象はネガティブなことなのだろうか?
答えは「否」だと言いたい。
周りを見渡せば、安易な解脱収束に向かわず、「社会をどうする?」という答えを求めて社会に意識を向ける人が増えている。
若者の人付き合いが悪くなっているというよりは、私権不全から社会不全に変わったことで、収束先が解脱から社会に向かうようになった。これはそういう現象なのだろう。
 
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