現代意識潮流を探る
214916 検察の暴走〜佐藤優の視点(官邸主導ではなく、おれが世直しをしてやるという独りよがりの正義感に燃えた暴走)
 
福田尚正 ( 35 福岡 SE ) 09/09/13 AM03 【印刷用へ
213827「潮流7:暴走する社会(特権階級の暴走と下層階級の暴走)」
>かくして、団塊世代が幹部に就いた’00年以降、彼ら特権階級はひたすら与えられた特権を行使し、次第に「社会を動かし」「世論を動かし」ているという支配の快感に溺れてゆくようになって終った。

この認識をより具体的に指摘している記事を見つけました。

政敵として失脚させられた佐藤優氏の見解です。彼は、今年の民主党小沢代表への検察の動きは、第一の「官邸主導で時の権力に有利になるような捜査」よりもむしろ第二の(検察主導の)『日本の現状を憂えた若手検察の暴走、おれが世直しをしてやるという独りよがりの正義感に燃えた暴走』であると指摘しています。

以下、リンク「佐藤優の視点――検察(若手将校)の暴走(今回の検察は2.26事件に匹敵する暴挙)」を紹介します。

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民主党小沢代表の疑惑について、ゲスト:佐藤優 TBSラジオ 音声
リンク
投稿者 児童小説 日時 2009 年 3 月 07 日 02:04:07: nh40l4DMIETCQ

で紹介されていたラジオソース(MP3のzipファイル)を聞いてみた。
全体で約1時間30分ほどの番組だが、今回の事件について語っているのは冒頭と後半の合わせて40分ほど。
番組は「BATTLE TALK RADIO アクセス」、聞き手は麻木久仁子と二木啓孝。
冒頭、国策捜査という用語を世に広めたのは佐藤優であると紹介。
そして、聞き手や聴取者からの電話のやりとりを交えながら今回の小沢秘書逮捕劇を語り合うという構成だ。
そこで披露された佐藤優の今回の事件の解釈は、これまであまり出ていなかった、彼ならではの興味深いものだった。
個人的に興味を引いた部分を中心にまとめてみる。

まずマスコミ報道については、鈴木宗男、佐藤優の事件と比べると、驚くほど公平(両論併記)であると評価している。
では、今回の捜査は国策捜査なのかどうか。
まず、佐藤優は国策捜査には二種類あるという。
一つは、官邸主導で時の権力有利になるような捜査だ。
もう一つは、検察主導の時代の節目を作る、時代を転換させるための捜査。田名角栄や鈴木宗男、ホリエモンや村上世彰逮捕がその典型例だ。
そして、現在の日本では最初の官邸主導の国策捜査はあり得ないと断言する。
なぜなら、自分たちは宇宙でいちばん頭がよく、正義感に燃えた集団と思っているから。そんな集団が支持率10%にも満たない政治家に言われて動くわけがない。
今回の捜査は、二つめの国策捜査、検察主導の時代を転換させるための捜査であると、佐藤は語る。
しかし、一方で、今回は、これまでの国策捜査の常道を踏み外していると語る。
ここが佐藤の分析の核心と思うのだが、今回の捜査は、日本の現状を憂えた若手検察の暴走、おれが世直しをしてやるという独りよがりの正義感に燃えた暴走という。
さとうは2.26事件になぞらえて、今回の検察の独善的な正義感の暴走の危険性を唱えている。
政治家は選挙の洗礼を浴びるが、官僚は一度入所してしまうと、チェックのしようがない。
また、リーク情報に顕著なように、検察は匿名、政治家は実名というのも、公平ではない。
では、検察批判を展開した小沢の手法はどうか。
佐藤は、国家権力を背景にした検察に対して、一政治家としての小沢に勝ち目はないと断言する。
今後の展開をガダルカナル戦に例えて説明するのだが、圧倒的に優勢な米軍に対して、兵站も途絶えた帝国陸軍の消耗戦に似て、少しずつ敗走を重ね、最後に玉砕するというわけだ。
ではどう戦えばよいのか。
佐藤は「転身」を提案する。これはなかなか説得力のある戦略だ。
まず、小沢は検察権力と対抗するために、いったん党首の座を降りる。
そして、次期党代表は、たとえば500円の個人寄付でだれにでも投票権を与え、国民に選ばせるのだ。
次期代表は国民の信任を得たのだから、正々堂々と自公政権、官僚と闘えるというわけだ。
もちろんかなりのエネルギーのいる話だし、民主党全体が賛成するわけもなさそうだが、次の展開のヒントにはなりそうである。
ともあれ、佐藤は一貫して検察との戦いは無用な消耗戦であり、絶対に勝ち目はないと言い続けていたのが印象的だった。

では、なぜ小沢はねらわれたのか。なぜこの時期だったのか。
これについては、次期首相になることがほぼ決まりだった小沢が、旧来の金権体質の政治家である(と検察側が勝手に考えている)こと。
もう一つは、第七艦隊発言やクリントンのあしらいから見える、対米追従から対米対等外交への転換を問題視したこと。
対米追従のほうがまだ日本にとってメリットがあり、国民にとってもそれがいいはずだという(独善的な)正義感が働いたのではないか、ということだ。
小沢民主党が標榜する反官僚的な政治改革に対しての不興もあったのだろう。
そこで、小沢追い落とし、民主党中心の政権交代を阻止する、というのが今回の国策捜査の主目的だったというわけだ。

もう一つ興味深かったのが、政府高官の「自民党まで広がらない」発言がなぜ「やぶ蛇」なのかという話だ。
佐藤の説によれば、今回の国策捜査は検察主導型だが、政府高官はいかにも官邸主導型の国策捜査であることを匂わせてしまった。
これは今回捜査を主導した検察の正義感に火を付けてしまうというのだ。
この佐藤の分析が興味深いのは、今後の自民党への捜査の波及の結果次第で、佐藤の分析の正しさが判定できるからだ。
もし、あいまいなまま終わったら、佐藤の分析もその程度と判断できるのではないか。

最後に、佐藤は非常に重要なことを語っている。
それは、今回の騒動は、自民対民主、民主対検察という問題に矮小化してはいけないということ。
今回の騒動の背景には、検察(官僚)の側に、この国の正義、この国の行方を決めるのは俺たちだ、俺たちが決めていいのだ、という、2.26事件の反乱将校が持っていたような、放漫な意識があるということだ。
これは国民対検察(官僚)の戦いでもあり、国民ははっきりと、主権は国民にあるということを彼らにわからせなければならない、というわけだ。

以上、概略を簡単にまとめてみた。
国策捜査を受けた経験者ならではの視点で、少々検察を過大評価しすぎの嫌いもあるが(田中角栄の薫陶を受け、豪腕、乱世の小沢と異名のある政治家である、鈴木宗男や佐藤優と比較するのもおこがましいと思うのだが)、興味のある人は一聴をおすすめしたい。

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