私権原理から共認原理への大転換
214687 「和を以て尊しとなす」の真意
 
川井孝浩 HP ( 36 東京 設計 ) 09/09/10 AM10 【印刷用へ
誰もが「安心」を求める社会。しかし、目先の安定ばかりを追っていても、真の「安心」は得られない。

聖徳太子が1500年前に示したとされる「和をもって尊しとなす」という言葉の真意に、今後の日本が再生すべき規範を垣間見る事ができる。

「安心至上主義からの脱却 聖徳太子の『和をもって尊しとなす』が伝えたかったこと」リンク
より引用〜〜〜〜〜〜〜〜

バブル崩壊、昨今の不況、激動の中を生きてきたからでしょうか。ひたすらに『安心』を選択する人が増えてきています。『安心』は不確実性を排し、変化を忌み嫌うことです。とりあえず「人と一緒」ならば『安心』といった心理もここからくるのだと思います。

私達を取り巻く環境は日進月歩で進んでいます。これを無理に安定させようとすれば『安心』のために支払うコストは多大なものになります。「安心」のためにボロボロになるまで働くのは本末転倒です。ではどうすれば、いいのでしょうか。

聖徳太子の言葉『和をもって尊しとなす』をご存知でしょうか。ここに一つの解があると思います。誤解されている方も多いですが、この『和』とは『波風を立てずに妥協し調和すること』ではありません。それは聖徳太子の真意とは全く逆のものです。

人は他人と意見がくい違うと、自分が正しくて相手が間違っていると思いがちです。聖徳太子はその思い込みを排することが重要と考えていたのです。


『完全無欠な人間などいない。人が公共の利益を実現するためには、各人のこだわりを捨て公正な議論を欠かさない。そのためには各自が私心を去らねばならない。』


これが「和を以て尊しとなす」の真意です。現代を生きる私達も謙虚に耳を傾けるべき貴重な教訓です。

不平不満があれば、正直に表現してぶつけ合うことです。ただし、その意見が私心によるものではないという条件付きです。私心による意見に拘泥した議論の落ち着くところは決まっています。パワーバランスの関係で議論を開始する前から結論が出ている出来レースになります。私心を捨て、共通の目的のためにお互い歩み寄り理解していくことが「和」の求めるところです。

安心な社会を築くためには、私心によらない共通認識の枠を増やしていくことだと思います。それぞれ自分の姿を今一度ふりかえり、改めるところは改め、伸ばすところは伸ばす。納得がいかないものがあれば、妥協ではなく進むべき道を確認して協議する。同じ社会に住むもの同士が、すばらしい「ハーモニー」を奏でるためにできることは1500年前の聖徳太子が教えてくれています。

〜引用終り〜

「私心によらない共通認識の枠」とは、即ち『事実の共認』と読み替えることができます。そして、「各自が私心を去る」とは『自分=みんな』の姿勢、あるいは『自主管理=組織管理』の意識と言えるでしょう。

また、聖徳太子の言葉以前に、『和』という言葉・概念を持っていた日本人には、やはり共認原理社会の実現基盤が備わっているのだと、改めて実感しました。
 
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