現代意識潮流を探る
213551 潮流2:戦後日本の意識潮流
 
岡田淳三郎 ( 60代 大阪 経営 ) 09/08/25 AM02 【印刷用へ
明治時代、士族の消滅と藩に代わる中央議会制度の成立によって、序列制度は表面上は無くなったが、1800年来培われてきた序列規範は強く残存し続けていた。

その後、市場の拡大につれて、恋愛や小説や新聞が繁殖してゆき、序列規範も少しずつ衰え始める。しかし、国家の体制が変わっても、集団を統合する新たな統合原理は登場せず、官庁や企業では序列制度がそのまま残存し、現在も序列制度はそのまま続いている。

これは、極めて重大な問題である。まやかしの近代思想に染められた識者たちは、この点に触れることを避け、この問題から逃げ続けてきたが、それは彼らの口にする「民主主義」が欺瞞に満ちた騙しであることを端的に示している。経済破局後の新たな時代に向けて、今求められているのは、日々、大半の時間と精力を費やす仕事の場=企業集団を、いかにして序列原理の集団から共認原理の集団に改造してゆくかという、その答えである。(その答えの一例が、自主管理への招待211321です。)

戦後になると、’50年代、’60年代の理由なき反抗、怒れる若者たちetcの現象が示すように、序列規範が一気に解体されてゆく。
しかし、それは市場拡大を担う消費の主役として期待され持ち上げられてきた若者たちによる農村育ちの親父世代に対する反抗、主要には個人主義etcの都市的思潮による農村的規範への反発であった。つまり、それは農業から工業への生産様式の移行に伴う変化にすぎない(注:一般には、戦後憲法によって前時代的な序列規範は大きく崩れていったように見られているが、憲法は生産様式の移行に伴う変化を加速しただけである。)

従って、序列規範が衰退しても、貧困が残存している上に、企業には序列制度がそのまま残存しており、身分や私益を追求する私権欠乏は衰えを知らずむしろ強まってゆく。だからこそ、’60年代、’70年代は、自由な性(正確には商品価値の性=自我私権の性)が花盛りとなったのである。
要するに、戦後も、私権統合の社会であることに何の変わりもなかった。しかし、その間に、恋愛と消費に支えられたマスコミ権力が強固に根を下ろしてゆき、マスコミの共認権力は、資本権力に迫る勢いを示し始める。(注:いつの時代でも、戦争etc激動の時代には国家権力が強くなり、小康・安定の時代には教会etcの共認権力が強くなる。但し、近代以降は、資本権力が国家権力にとって代わって第一権力となっている。戦後も、混乱期は資本権力の方がマスコミ権力より強いが、’50年代・’60年代と社会が安定してゆくにつれて、次第にマスコミ権力が資本権力に拮抗する力を持ち始めてゆく。)
 
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