市場の支配構造
212110 郵便・通信の歴史2【郵政民営化-2 〜通信社の歴史〜】
 
彗星 ( 中年 ) 09/08/03 AM08 【印刷用へ
【Renaissancejapan】の『郵政民営化-2 〜通信社の歴史〜』(リンク)より転載します。
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今日のドイツポストは、ハプスブルグ家に保護された約500年前のタキシス家の郵便ネットワークに起源を持ち、タキシス家はロイター家とも婚姻関係を持ち通信業界に大きな影響をもたらしてきました。

情報伝達手段としての郵便は、エレクトロニクス技術の進化と共に、形を変えながらの新しい通信に変わっていっています。 その先駆けともなったロイターを中心に、通信社の歴史を紹介したいと思います。

ロスチャイルドが財閥になっていたのは、ナポレオンのワーテルローの戦いでの敗北のニュースをいち早く掴み、ロンドンの証券市場で巨額の利益を上げた事はよく知られていますが、ロスチャイルド財閥の歴史は、通信にはじまり、世界的にまたがっての繁栄を成し遂げてきました。

今日では、益々その情報を武器としたビジネスは、大きな利益をもたらす物として、インターネットを使った通信手段は重要性を増してきております。

世界の報道・ニュースの源を支配する通信社として、AFP, AP, Reuters, UPI等があげられますが、最も古いのはフランスのAFP通信(Agence France Presse)です。 

創業者はハンガリー系のユダヤ人、シャルル・ルイ・アヴァスで、1800年代前半では、まだ腕木信号と呼ばれる何段かに並べた腕木の向きの組み合わせで、通信していました。 アヴァスは、フランス政府が交信しているのを望遠鏡で盗み見て、自分で通信するのでなく暗号を解読し、この盗み取ったニュースを流すビジネスを思いつきました。 実質ロスチャイルドに雇われながら、事務所を開設したのが1832年の事です。

アヴァス通信(AFP)の創始者アヴァスの部下に、ポール・ロイターとベンハルト・ヴォルフのユダヤ系のドイツ人が居ましたが、1848年にヴォルフはドイツに赴き、翌年にはロイターがアヴァス通信を退社し、各地を転々とした後、1851年にイギリスに渡りロイター通信を設立しました。 

ロイターは、伝書鳩を使ってブリュッセル−アーヘン間を通信していましたが、シーメンスの電信技術の影響をこうむって、失業してしまいました。 しかしながら、彼の優れたところは時代をちゃんと見据え、シーメンスに電信技術を学び、電報を使った通信でロンドンに事務所を開いたところです。 

1856年には、アヴァス、ヴォルフ、ロイターの3人で、互いニュースを交換する契約を結び、1959年には3社で世界を3分割する秘密協定を結びます。

アヴァス:フランス、スペイン、イタリア、南米のラテン語圏
ヴォルフ:ドイツから北欧にかけてのハンザ同盟の貿易圏
ロイター:大英帝国の植民地を含む広大な英語圏

ロイターの最初の顧客は、ライオネル・ロスチャイルド、シティにあるロイターの大理石像が公開された時、除幕式の紐を引いたのが、そのひ孫のエドマンド・ロスチャイルドで、大英帝国の実質的な繁栄は、このロスチャイルドとロイターの蜜月の関係によって、もたらされたと言っても過言ではありません。

特に、スエズ運河株を、ライオネル・ロイスチャイルドが買収した世紀の取引の影には、ロイター通信エジプト支局の貢献は大なるものがありました。

このロスチャイルドとロイターの情報網が、今日のイギリスの情報機関MI5,MI6となってゆきます。007の作者、イアン・フレミングはMI5の出身です。

MI5: Military Intelligence #5 (国内の軍事情報を担当する課) 
MI6: Military Intelligence #6 (国外の軍事情報を担当する課)

世界の3大通信社は、このフランスのアヴァス、ドイツのヴォルフ、イギリスのロイターでしたが、その後アメリカのAP(Associated Press)が創設され、自由競争化されていきました。 

日本では、同盟通信社が、アジアで最大の通信社として活躍しましたが、敗戦で解体され、共同通信社と時事通信社に分離されました。 いうまでもなく、通信事業は、NTTとKDDですが、最近では自由化されており、民間からの参入もあります。
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