心の本体=共認機能の形成過程
21180 失語症の回復過程から言葉以前の共認を探る
 
本田真吾 HP ( 44 香川 建築家 ) 02/01/17 AM01 【印刷用へ
田中さんこんにちは、観念機能共認機能の関係について興味深く思っています。観念機能獲得以前に、共認機能とそれによる充足があり、この充足感を足がかりにして、観念機能のうち、言葉によるコミュニケーション機能が形成されるのではないかという考えに賛同します。

興味深い事例として、失語症という病気があります。脳出血で言語野が損傷するとこの病気になります。この状態から回復した人の回想によると、本人は周りが話しかけられていることを正常に理解しているのに、言葉にして返そうとすると、聞いている人には意味不明のものになってしまうそうです。

そして、自分が意味不明のことをしゃべっていることすら、(当初)本人には理解できていないそうです。その間、家族はその反応を見て、気が狂ってしまったり落胆してしまうそうです。そして、本人は意識は正常であることを肉親に伝えることが出来ず、きちがい扱いされて、自尊心がズタズタになるそうです。

ただ、現在では失語症患者の意識は正常であることが解ってきたため、まず家族に正確な状況認識を伝え、リハビリに臨みます。こうすることで、精神的な支えである家族は落胆することなく患者に臨めます。そのことで、患者は自尊心が傷つけられることもなくこころの平静を保てます。

そして、言葉はかみ合わないまま、対象を捉えることのできる正常な意識をつかって、意思疎通を図っていきます。このとき、患者には、正常に話せる状態にないことを言葉によって伝えています。こうすることで、なかば言葉を介さない共認が成立します。

当初患者は、言葉による真っ当なコミュニケーションが出来ない不安に駆られています。しかし、前述の共認が成立するようになると、急激にその不安がなくなり、生きる活力がでてきます。そして、正常な言葉のコミュニケーションが徐々に回復してきます。

観察によると、患者の言語によるミュ二ケーション能力の回復スピードは、家族やリハビリ医師との言葉を介さない共認の深さ=共認充足度のたかさが大きく影響しているそうです。また、その回復過程は、赤ちゃん言葉から大人の言葉への言語習得過程と極めて似ています。

この事例から、通常言葉によるコミュニケーションと考えられている状態でも、実は言葉以前の共認が多くの部分を支えていることが解ります。また、言葉を発するということは、それ以前に伝えたい内容が意識のなかで(言葉でなくとも)まとまっていることも解ります。現代人は、この当たりまえのことを、あまりにも軽視しているような気がします。
 
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