市場の支配構造
211757 ロンドンの一等地はなぜ貴族が所有しているのか?
 
橋口健一 HP ( 46 大阪 技術者 ) 09/07/29 AM11 【印刷用へ
>ロンドン金融街の中核地帯は、ポルトガル貴族・ブラガンサ家、英国ウェストミンスター公爵・グロブナー家によって「所有」されている。(211535

英国のグロブナー家について調べてみました。
彼ら貴族階級が一等地を所有できるのは「定期借地権」と「相続法」という特権があったからです。

相続法については「なぜ貴族は”貴族”を続けられるのか? 相続税の現状(211216)」で紹介されています。

そこで、イギリスの「定期借地権」について調べてみると、元々は王室(女王陛下)の土地から999年契約で大貴族が借りているらしいのです。貴族の特権の大きさ(契約期間の長さ)に呆れます。

●「ロンドンの一等地を握る4つの名家」
リンクより引用
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彼らが成功した理由として、「定期借地権」という仕組みを最大限活用してきたことが挙げられる。この制度の下では、地主がまず借用期間を定めて一定の金額と引き換えに建設業者、または宅地造成業者に所有する土地を貸し出すことになる。次に土地を借り入れたこれら業者は、自費負担または資金の調達を行いながらその土地の開発を担い、やがて住居やオフィスとして貸し出す。そして賃貸期間が終われば、また開発した物件などをそのまま地主へと返す取り決めになっているのだ。

この制度下では、地主たちは常に一定の賃貸料を得られることに加えて、自分たちは金銭的負担なくして敷地を開発し、その度に土地は価値を上げていくことになる。最近では借用人や住居人が物件を維持する場合などの権限が拡大されてきたとはいえ、地主たちはいまだに既得権益を活用して多大な利益を得ているというわけだ。

カドガン家やポートマン家の名前はロンドン各地の通りの名に刻まれている。さらに相続法の問題もある。英国では従来、地主が死亡した場合に長子相続権が認められてきた。つまり残された土地はまとめて長男がすべて受け取るため、広大な土地が分散されていくという事態が起きることを防いだ。
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(引用おわり)

●イギリスの「定期借地権」〜時間的所有権〜
リンクより引用
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我が国、日本の場合、不動産の所有権は「半永久的な所有」を意味する。先祖代々、子々孫々権利は引き継がれてゆく。

しかし、イギリスには日本のような「半永久的な所有権」という概念はない。あくまで期間を区切った「時間的所有権」を手に入れ土地を利用するのである。これを 「リースホールド」という。

女王陛下の持ち物である土地を九九九年契約で大貴族が借り、それを切り売り(転貸)して二五〇年契約で大企業や貴族に貸す。企業や個人はそれを切ってもらい九九年契約で借りる。

これが一般的なイギリスの時間的所有権のシステムである。ここでは土地は「所有するものではなく利用するものであり、その利用期間に応じた価値を売買する」ものと考えられていると言っていいであろう。

売買であるため、その「時間的所有権」に対して代金を支払い、利用期間中は利用者が固定資産税等の支払い義務を負うことになる。

かつて中国から九九年間の時間的所有権を取得し、期間満了により返還された香港もこの手法によるものである。
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(引用おわり)
 
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