法曹・官憲・役人こそ、社会閉塞の黒幕
210193 「自主管理共同体」とは全員が主体性をもって働くための実現態
 
浅野雅義 ( 41 滋賀 不動産 ) 09/07/05 AM10 【印刷用へ
 労働基準法は戦後の1947年に制定された法律であり、それから既に60年以上も経っている。当然、当時の社会状況とおよび達成すべき目的と現在の状況は大きく変化しており、労働時間の考え方においても諸所の観点から議論があります。

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◆労働基準法 労働時間・休憩・休日の適用除外(法第41条) リンク
(1)農業、畜産、水産業に従事する者(林業は除く)
(2)監督若しくは管理の地位にある者、又は機密の事務を取り扱う者
 監督若しくは管理の地位にある者とは、事業の種類にかかわらず経営者と一体になっていると考えられる役職者(部長、工場長、局長等)をいいます。
 機密の事務を取り扱う者とは、職務が経営者又は監督若しくは管理の地位にある者の活動と一体不可分であって、厳格な労働時間管理になじまない者(秘書等)をいいます。

◆ホワイトカラーエグゼンプション(ホワイトカラー労働時間規制適用免除制度)
 いわゆるホワイトカラー労働者(主に事務に従事する人々を指す職種・労働層)に対する労働時間規制を適用免除すること、またはその制度。

<背景>
 労働基準法が作られた終戦直後は日本の就業人口のほとんどが第1次産業・第2次産業に従事していた。それが高度成長期を経て、経済が成熟するとともに徐々に第3次産業の比率が高まり、現在では全就業者の約半数が第3次産業に従事している。このように産業構造が大きく変化するなかで、ホワイトカラー労働者のなかに事務的労働ではなく成果のみを求められる新しい労働者が現れ始めた。また、IT環境の整備が整うにつれ、職場に縛られない働き方も可能になってきており、こうした現実に対応した新しい労働時間法制のニーズが生まれた。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

◆裁量労働制 法第38条の3、第38条の4 改正
 裁量労働制とは、業務の性質上その遂行の手段や時間の配分などに関して使用者が具体的な指示をせず、実際の労働時間数とは係りなく、労使の合意で定めた労働時間数を働いたものとみなす制度です。

1 専門業務型裁量労働制 デザイナー、システムエンジニアなど専門的な19の業務に就く者が対象。業務の遂行方法、時間配分などについて、従事する労働者に具体的な指示をしないこと

<対象業務>
(1) 新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
(2) 情報処理システム(電子計算機を使用して行う情報処理を目的として複数の要素が組み合わされた体系であつてプログラムの設計の基本となるものをいう。(7)において同じ。)の分析又は設計の業務
(3) 新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は放送法(昭和25年法律第132号)第2条第4号に規定する放送番組若しくは有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(昭和26年法律第135号)第2条に規定する有線ラジオ放送若しくは有線テレビジョン放送法(昭和47年法律第114号)第2条第1項に規定する有線テレビジョン放送の放送番組(以下「放送番組」と総称する。)の制作のための取材若しくは編集の業務
(4) 衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
(5) 放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
(6) 広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務(いわゆるコピーライターの業務)
(7) 事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを活用するための方法に関する考案若しくは助言の業務(いわゆるシステムコンサルタントの業務)
(8) 建築物内における照明器具、家具等の配置に関する考案、表現又は助言の業務(いわゆるインテリアコーディネーターの業務)
(9) ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
(10) 有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務(いわゆる証券アナリストの業務)
(11) 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
(12) 学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る。)
(13) 公認会計士の業務
(14) 弁護士の業務
(15) 建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)の業務
(16) 不動産鑑定士の業務
(17) 弁理士の業務
(18) 税理士の業務
(19) 中小企業診断士の業務

2 企画業務型裁量労働制 事業運営の企画、立案、調査及び分析の業務を行うホワイトカラー労働者が対象。
・対象業務 事業の運営に関する事項(対象事業場の属する企業等に係る事業の運営に影響を及ぼす事項、及び当該事業場に係る事業の運営に影響を及ぼす独自の事業計画や営業計画をいいます。)についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段および時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務

(1)当該事業場の属する企業等に係る事業の運営に大きな影響を及ぼす決定が行なわれる事業場
(2)本社・本店である事業場の具体的な指示を受けることなく独自に、当該事業場に係る事業の運営に大きな影響を及ぼす事業計画や営業計画の決定を行っている支社・支店等である事業場
「 労働基準法のあらまし」リンク
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 これらを見れば、決められた一定の時間内に、使用者(監督者)によって決められたことを定型的に行う労働においてのみ、定型的な時間制限が当てはまるのだといえます。逆に言えば、使用者(監督者)が具体的な指示をせず、各人の主体性や裁量に任せて行う業務はその範疇に当てはまらない。加えて、経営者と一体である、経営に大きな影響を及ぼす(参画している)こともその重要な要件となる。

「経営者でも労働者でもない専門技術者たちによる自主管理共同体」は、全社員が自主的に裁量を持って調査・企画・計画して仕事を実行していくこと(意識生産に携わる)、使用者に一方的に指示されるのではなく自らが経営に参画していること(そのために全員参加の経営会議と経営データの公開がなされる)、そして自らの働く場を活力ある場とするためにできたまったく新しい就業形態であり、集団なのだと思います。

 そして、「自主管理共同体」とは、まさに下記を実現するためにあるのだといえます。

「経済社会の構造変化や労働者の就業意識の変化等が進む中で、活力ある経済社会を実現していくために、事業活動の中枢にある労働者が創造的な能力を十分に発揮し得る環境づくりが必要となっています。労働者の側にも、自らの知識、技術や創造的な能力をいかし、仕事の進め方や時間配分に関し主体性をもって働きたいという意識が高まっています。(厚生労働省 リンク)」
 
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