生物の起源と歴史
209177 ウィルスで病気になるのはなんで?
 
川井孝浩 HP ( 36 東京 設計 ) 09/06/20 AM08 【印刷用へ
ウィルスは、大きくDNAウィルスとRNAウィルスとに別けられるが、いずれもが生物とは言えず、ウィルス単体では代謝も増殖も行えない。即ち、細胞分裂時のミスなどによって生じた、元細胞のDNA・RNAの単なる欠片である。

そして、この単なる欠片であるウィルスが増殖するのは、それら元細胞とほぼ同じ構造を持つが故に、生きた細胞が同類と認識し、取り込み、生態反応を起こす仕組みが適用されるからである。

即ち、ウィルスというものは、生物が存在し生態活動を続けている限りは、常にあらゆるところで発生し続けるものであると考えても、間違いではないだろう。

但し、生態にはミスを起こした時の修復機構、あるいは異物と認識した場合にそれを排除する免疫機構が同時に備わっている。

これらの状況から俯瞰すると、当然人間の体の中でもウィルスは当り前のように発生しているのだが、その多くは元々が同類であるが故に大した問題も起こさずに体内淘汰(アポトーシス)される、あるいは特異な症状を発した場合には、直ちに修復機構にかけられる事によって、殆ど病気にはならずに済んでいるのだと考える事が出来る。

では、多くの人々に風邪などの症状を齎すインフルエンザウィルスの正体は何か?

その発生源として知られているのが水鳥(鴨)で、鴨の腸内にはA型インフルエンザの亜型として考えられる144種(H:16通り×N:9通り)の全てが存在すると考えられている。

参考:カモのうんちに宝が潜む
リンク

この事から推定するに、他種の体内で生じたウィルスが感染した場合、それを同類であると勘違いして細胞が取り込んだ場合には、当然のように異常反応を起こしてしまう訳で、それが病気の元となる構造は素人であっても容易に想像の出来る事だ。

しかし、鴨の中では、ほぼ共存している。それは、鴨の中で発生した断片であるからさほど問題は起こさない、という前段に示した構造と同じであろうと考えられる。

そして、さらに重要なのが、これら異種間転移によるウィルスに対しても、当然ながら免疫機構は働く、という事実だ。

異種間転移の起こり易い構造として、人・鳥・豚間の共通受容体が媒介になりやすい事が解っており、その遺伝子プールとして3者が密接な生活環境にある中国南東部が新種のウィルスの発生しやすい地域である事が指摘されているのだが、なんとその中国の田園地域に住む人々の体内には、既に検査したHA亜型(H1〜H13)の全てに対する抗体を持つ事が確認されているのだ。

これは、文字通りその地域特有の環境に対し、種としての集団適応を重ねた結果であり、時に水鳥の運ぶウィルスが、抗体を持たない別の地域に着床した時にだけ、多少の猛威(と言っても風邪が流行る程度だが)を振るうという構造になっている。

全ての生物は外圧適応態である、という普遍構造から見て、共生環境に置かれた生物間では、ウィルスも含めた適応様式を獲得する方向性に進んできた、という事が見えると同時に、世界全域において単なる予測の元に均一のワクチンをばら撒くという行為は、むしろ環境適応という自然の摂理に反した行為となっている危険性が指摘される。
 
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