共同体社会の実現
208693 「身分」と「お金」
 
雪竹恭一 ( 46 大阪 営業 ) 09/06/13 AM02 【印刷用へ
どちらも私権時代の評価指標であるが、おそらく、「お金」よりは「身分」の方が根源的である。

「身分」があれば「お金」は手に入るが、「お金」があっても「身分」が手に入るとは限らない。成金が結局「身分」を欲しがるのも、人々の評価共認圧力としては「身分」の方が強力であるからだと考えられる。(いくらお金持ちになっても、身分が低ければ人々から評価されない。)

歴史的な成立順序から考えても、国家が成立した後に市場は成立しており、身分制度が成立した時には未だ貨幣制度は成立していない。支配階級からすると、貨幣制度がなくても、物納で税を収奪することが可能であった。

理論的に考えても、「身分」は「集団(統合)適応」のための評価指標であり、それなしには私権国家は統合できない。それに対して、「お金」は「共生(取引)適応」のための評価指標であり、集団の統合にとっては不可欠のものではない。

現代でも「身分」の方がより評価指標としては強力であるという構造は基本的には変わっていない。私権観念が崩壊し、人々の価値観的には既に「お金」は第一価値ではなくなっているが、「身分」の方は、相変わらず制度的にも観念的にも残り続けている。

特権階級の権力行使の暴走が問題になっているが、特権階級にとっては、自らの私権を延命させるための砦としては、「お金」よりは「身分」の方が重要であるということを物語っている。おそらく、特権階級は最後まで「身分」にしがみつき続けるだろう。

しかし、普通の庶民はすでに「身分」という観念にも収束しなくなってきている。社会のガタガタ化が進んでいるのも、根本的には私権統合のための評価指標であった「身分」が収束力を失っているからだ。特権階級は、「身分」にしがみつけばしがみつくほど、その統合力を失ってゆくだろう。

これからの社会を統合してゆくためには、力の序列原理を下敷きにした「身分」という評価指標に代わる、新たな評価指標(役割とか能力評価等)の共認形成が不可欠である。
 
  List
  この記事は 31251 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_208693
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp