国家の支配構造と私権原理
207210 気候変動と歴史の相関(中央集権国家の成立条件)-1
 
山澤貴志 ( 44 鹿児島 ITコンサル ) 09/05/23 PM05 【印刷用へ
中国と日本が朝鮮半島諸国に先駆けて中央集権化を可能にしたのは何故か、と考えると、国土の大部分にわたって稲作が可能であるという地理的、気候的条件が大きいのではないか。

以下、山中光一氏の近著「古代史巨視考」2008年4月名著出版刊を参考に気候変動と歴史の相関を考えてみる。

●日本の気候と政治体制

過去の日本列島の気候は以下のように変化している。(坂口豊氏の尾瀬ケ原のハイマツ花粉分析から考察)

(1) 〜紀元前1250年迄 縄文温暖期  
尚、紀元前4千年頃がもっとも温暖となり縄文海進が始まった。縄文社会は基本的に環境依存型の採集生産社会であり、自然の循環サイクルを壊さない生活スタイルが維持されていた。
(2) 〜紀元前 400年迄 縄文晩期冷涼期
縄文晩期は「寒の戻り」の時期。九州地方で稲作が開始された時期でもあるが、日本全体を見れば寒冷すぎて稲作は全国的に波及することはなかった。
(3) 〜    200年迄 弥生中温期
稲作の広まった弥生時代は全体として現在と同じような平均温度の時代で、全体的には前半はやや温暖、後半はやや冷涼。稲作が全国的に普及し、オオクニヌシ神話にみられる国造り=稲作農耕社会の基礎が築かれた時代。
(4) 〜    700年迄 古墳冷涼期
氷河期が終わった後ではもっとも冷涼な時代で、現在と比べると約4度低かったと推定される。政治的には朝鮮半島と日本をまたにかけた覇権闘争の時代、大和王朝といえどもまだまだローカルな王に過ぎなかった時代であった。
(5) 〜   1250年迄 古典温暖期
奈良時代から鎌倉前半元寇の頃までは温暖期で、中央集権的な統一が維持されていた時代。文化的には王朝文化が繁栄した時代。
(6) 〜   1600年迄 中世冷涼期
(7) 〜   1700年迄 小古典期
(8) 〜   1867年迄 小中世期
元寇から明治維新1867年迄までは全体としては冷涼期。
織田信長登場まではまさに群雄割拠の中世である。
その中にあって、1600〜1700年は一時的な気候の回復期で、織田・豊臣・徳川初期の国家統一の機運がつくられて、文芸復興期でもある元禄期の繁栄に至る期間でもある。
その後は再び冷涼期。(ヨーロッパでは小氷期ともいう)政治的には徳川が統一しているとはいえ、集中度は低い封建制時代といえる。
 
  List
  この記事は 206256 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_207210
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
207215 気候変動と歴史の相関(中央集権国家の成立条件)-2 山澤貴志 09/05/23 PM05

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
ゴリラ、テナガザル、オランウータンと人類
サルからヒトへの足の指の変異:『地上生活順応説』には物証もなければ論理的反証が多すぎる
ヒトはいつから言葉を話し始めたのか(2)
人類史を追求する意義と視点
原基構造の不変部分と可変部分
地球の気候変動と人種移動
モンゴロイドの歴史@ 20万〜4万年前 スンダ・モンゴロイド、北方モンゴロイドの誕生
モンゴロイドの歴史A 4万〜1.3万年前 中央アジア・モンゴロイドの誕生と拡散
モンゴロイドの歴史B 1.4万〜1万年前 スンダ・モンゴロイドの拡散
モンゴロイドの歴史C 1万年前〜6000年前 新モンゴロイドの誕生と拡散
モンゴロイドの歴史D 5500〜3000年前 寒冷化→新モンゴロイドの本格的な南下→中国へ
モンゴロイドの誕生と北方への進出
南方モンゴロイドの拡散と新モンゴロイドの誕生
北方モンゴロイドの拡散(ツングース族、モンゴル族、テュルク族の起源)
家畜化と農耕と遊牧、都市国家1〜家畜化と社会余剰〜
家畜化と農耕と遊牧、都市国家2〜家畜化と社会余剰〜
牧畜によって何が変わったのか?
遊牧によって何が変わったのか?
交易によって何が変わったのか?
遊牧部族の父系制転換
中国文明の起源
遊牧民の中国支配史2: 〜夏・殷・周の成立〜
遊牧民の中国支配史3: 〜春秋戦国時代・秦〜 550年間にわたる遊牧部族同士の同類闘争が、心を歪ませ、思想を発達させた
遊牧民の中国支配史4:漢の時代〜冊封体制と朝貢制によって中国史上初の私権統合体制を実現した漢帝国〜
遊牧民の中国支配史5: 〜五胡十六国・南北朝の時代〜 400年に渡る戦乱により、血縁を紐帯とした部族集団が悉く解体され、現代中国の原型=3層の人民構成が形成された
中国とは何者か?−ヨーロッパとイスラムと中国−
潮流1:共認原理と私権原理
2600年前頃、古代宗教・思想の世界同時成立期・・・・そして大転換期の現代
1万年前以前の極寒期には南欧以北の欧州は無人だった
原欧州人とシュメール人の出自
5500年前、イラン高原で最初の略奪闘争(戦争)が勃発
3500年前、コーカサスと地中海は略奪部族の支配国家と山賊・海賊だらけになった
2900年前、海の民の侵略で地中海沿岸の部族共同体は崩壊
略奪集団であるが故に自我の塊になった西洋人
西洋人の精神構造と異常な性意識

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp