国家の支配構造と私権原理
206256 いち早く中央集権体制を確立した中国と日本
 
小暮 勇午 ( 31 京都 路上人 ) 09/05/11 AM01 【印刷用へ
■秦の中国統一
それまで小国家同士の争いを繰り返してきたユーラシア大陸東部を秦の始皇帝が平定し、統一王朝を成立させる。この原動力となっていたのが、中央集権化だった。それまでの世襲の封建体制に代わって、中央から王が派遣する官吏が土地を統治する「郡県制」によって強力な中央集権化を進め、統一王朝を築く。後の律令制度に繋がる法治主義の確立など、統一王朝のモデルを作り上げた。

■中央集権(=官僚体制)が国力を増強させる
秦の(中国を統一するほどの)強大な国力から考えても、中央集権国家というのは生存圧力の下では、強力な国力増強装置として働くことが分かる。一方で、朝鮮半島の国々(高句麗、新羅、百済)は、部族連合としての国家体制を維持し続けたため、中国大陸の統一王朝を真似て中央集権化を進めた日本に国力の面で劣ることになる。(よって、中世において、朝鮮半島は日本を中心とした冊封体制に組み込まれてしまう。)

■強力な中央集権(=序列体制)が確立され、序列上位の者に解脱欠乏が誕生
強力な中央集権化の確立、つまり強固な序列原理による支配が確立すると、序列上位の支配者層に解脱欠乏が生じ、ぜいたく品をもとめるようになる。
支配者層の解脱欠乏を充たすために、国力差を背景とした周辺国との冊封体制(周辺国から中央国への貢物、そしてその返礼)が確立されていく。

★中央集権化・官僚制度、冊封体制、中華思想は一体のもの
土地制度と租税制度を基盤とする中央集権体制は、土地を支配していた豪族・部族を引き離し、官僚として取り込むことを意味する。そして、土地を耕すことを(朝廷によって)認められた者は、その土地を耕した得た生産物の一部を租税として朝廷に献上した。これは、”国内での冊封体制”とも言うべきものであるが、これら中央集権化、冊封体制を正当化・維持してきた思想が、中華思想であった。

■中央集権国家間で古代市場が登場する
隋→唐と中央集権国家体制を確立した中華帝国、及び飛鳥時代から平安時代にかけて中央集権国家体制を確立した日本、それぞれの支配者層間で、冊封(貿易)体制が確立し、東アジア発の古代市場が登場する。市場がもたらす価格格差のうまみを原動力として、市場はその裾野を広げていく。このように中国及び日本ではいち早く市場が拡大し、国家間闘争の両翼を担っていくことになる。
 
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