アメリカ→官邸→マスコミによる支配
205172 「混乱するジンバブエ」の事実@ 〜白人の手から土地を取り戻したファストトラックが全ての始まり〜
 
西谷文宏 ( 32 和歌山 建築設計 ) 09/04/25 PM06 【印刷用へ
ジンバブエは、年率6.5×10の108乗倍%(??)と言う、文字通り天文学的なハイパーインフレを起こし、世界最低のGDPとなったことに加え、世界最悪のHIV感染率(成人の25%が感染!!)とコレラの蔓延などが重なり、凄まじい混沌の中にある。

かつてのジンバブエは、肥沃な土地と豊富な資源で「アフリカのパンかご」と呼ばれた。この”パンかご”を“くずかご”に転落させたのは、ジンバブエ独立の英雄であるムガベ大統領であると報道されている。

ムガベ大統領は、イギリス植民地を経て、白人を中心とした独立国となったローデシア共和国(「ローデシア」は、「ローズの家」と言う意味で、ロスチャイルド財閥の一人で、南アメリカの金・ダイヤモンド生産を独占していたセシル・ローズの名称から来ている)から、ゲリラ戦によって黒人国家「ジンバブエ」を独立させた、独立の英雄であり、独立後は白人社会との協調を基盤とした緩やかな社会主義による国づくりを進めて、高いGDPを達成する一方、教育など福祉政策に力を注ぎ、識字率をアフリカ最高レベルの9割に導く“善政”を敷いたことで、世界的にも高い評価を得ていた。

しかし、ムガベは2000年に白人所有大農場の強制収用を政策化し、協同農場で働く黒人農民に再分配する「ファスト・トラック」を開始。この結果、白人の持っていた農業技術が失われ、食糧危機やハイパーインフレーションを引き起こしたと言われている。
その後も、独裁政治体制を敷き、言論統制や報道規制、NGOによる支援申し入れを断るなど、まさに最低の政治を行ってきた最悪の独裁者ムガベと、世界的には評価・報道されている。
しかし、この報道は事実なのだろうか?なぜ、善政を行ってきた人物が、急激に悪魔のような政治家に転落したのか?様々な疑問を感じたので、詳しく調べてみた。

まず、問題の契機となった、白人所有の大農場の実態に関して事実を押さえてみる。
2000年の時点で、ジンバブエの人口の2%にも満たない白人が農耕適地の8割近くを占有し、一農家当り平均4000ヘクタールの大規模農場を経営して、黒人に比較すると極端に裕福な生活をしていた。
ジンバブエが“黒人独立国家”になったのは1980年なので、独立から20年間、この状態が続いていたことになる。

現在の世界報道は、白人所有の大農地を強制収用したこと=ファスト・トラックが、ジンバブエを最悪の国家に落とし、皆を貧しくしたように書かれているが、現実は、白人が裕福な生活を享受する裏で、元々の原住民である黒人は、白人が用意した小さな敷地に押し込められ飢えていた。
つまり、悪名高いファスト・トラック以前から、侵略者である白人から収奪されて黒人は飢えていたのであり、ファスト・トラック以前の高いGDPは、わずか2%の白人のものだった。

ファスト・トラック以降のハイパーインフレによって、GDPは地に落ちたが、もともと白人に収奪された土地が、本来の持ち主の手に戻ってきたのだから、原住民である黒人にとって、GDPの数値の低下は問題ではない。
ムガベには”経済的失敗状況の責任がある”と報道されているが、多くの原住民たちはそうは思っておらず、黒人農場の利益はファスト・トラック後倍増し、生活が改善して来ていると言う報告もある。
すなわち、ファスト・トラックとは(その政策的な強行性の問題はあれど)、「侵略者である白人の手から、本来の持ち主である黒人原住民の手に土地を取り返した」と言うのが本質であり、ムガベ大統領も含めた原住民から見れば、積年の思いを独立後20年かけて実現したと言うのが実態だろう。
 
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