戦争の起源
204991 アメリカの戦争の歴史にみる「正当化観念」
 
孫市 09/04/23 PM00 【印刷用へ
アメリカの歴史は戦争の歴史である。建国以来の226年間で実に41回。(5年に1回)第二次世界大戦後の57年間で19回の戦争・武力行使を行っている。(3年に1回)

しかし、戦争を仕掛けるにあたり、「正当化観念」を捏造する。国家が勝手に起こした戦争ではなく、国民の世論の支持をもって起こすことで一蓮托生に持ち込む。また、そうすることで多額の税金をつぎ込むことが可能となるうえに、兵士の士気も上がる。

捏造した「正当化観念」が感応観念となり何の疑問ももたれずに国民に受け入れられていく。何かの事件をおこし、それをきっかけに”○○を忘れるな”と国民的高揚を図り戦争をしかける戦略は現在においても全く変わっていない。

以下、その事例である。


●1836年〜 テキサス共和国独立宣言→アメリカ・メキシコ戦争
○スローガン「リメンバー・アラモ」

義勇軍をメキシコに送り込み、テキサスの独立運動を起こす。メキシコ軍に包囲された義勇軍は、アラモ砦にたてこもるが、アメリカからの救援は無く、大軍の前に全滅。アメリカの世論は「リメンバー・アラモ」が合言葉となり、戦争反対から賛成へと変わる。アメリカの西部に領土を拡張しようという動きにより、アメリカがメキシコに宣戦布告し、一方的に勝利。メキシコの52%を分捕る。これによりアメリカは、ニューメキシコ、カリフォルニア、ユタ、ネバダ、アリゾナを併合。
アラモの戦いの時、すぐ近くにアメリカの正規軍がいたのに、砦を守る200名の騎兵隊を見殺しにしたのは何故か? 今もって謎。

●1898年〜 米西戦争→米比戦争
○スローガン「リメンバー・メイン」

アメリカの戦艦・メイン号を、スペイン領ハバナで爆破して、スペインの犯行とした。アメリカの世論は「リメンバー・メイン」が合言葉となり、戦争反対から賛成へと変わる。キューバ(スペイン領)の独立運動とメイン号爆沈事件がきっかけとなり、「キューバ解放」を大義名分としてスペインと戦争をはじめる。アメリカの勝利に終わり、フィリピン、プエルトリコ、グアムを植民地化して、キューバ独立(名目上)を達成。

戦争はスペイン領だったフィリピンでも行なわれた。アメリカは現地の独立運動を利用して戦いながら、「独立」の約束を破り、領有化。フィリピン人はアメリカに対し独立運動を起こすが、弾圧され、推定二万人が殺害され、また破壊に伴う飢餓と病気で二〇万人が死亡。フィリピンを手に入れたアメリカは、フィリピン人に対し英語を公用語とし、徹底的な洗脳政策を開始。


●1914年〜 英独戦争→ルシタニア号撃沈事件→第一次世界大戦
○スローガン「リメンバー・ルシタニア」

1914年、英国とドイツが戦争を始めた。ドイツ国民もアメリカ国民も、戦争の拡大は欲っしていなかった。戦争を熱望していたのは英米の寡頭勢力。彼らは、ドイツを誘い出すために囮を放った。北大西洋航路で浮かぶ宮殿と言われた、英国の豪華客船ルシタニア号である。

1915年、ルシタニア号は密かに英国への火器弾薬を登載し、ドイツの警告を無視し、あえてドイツを逆撫でするような航路を進み、ドイツ潜水艦の攻撃を誘った。その時何故か、英国の駆逐艦隊は巡回を取りやめ、港に留まっていた。そして、94人の子どもたちを含む1095人が生贄となった。この事件から「リメンバー・ ルシタニア」が合言葉になり、アメリカは第一次世界大戦に参戦。


●1941年〜 真珠湾攻撃→第二次世界大戦
○スローガン「リメンバー・パールハーバー」

戦争しないことを公約にして当選したルーズベルト大統領は、帝国海軍の真珠湾攻撃計画を知り、成功に誘導し、駐米大使の不祥事も重なって、奇襲、騙し討ちと宣伝。日本が宣戦布告したので、自動的にドイツ、イタリアも宣戦を布告。アメリカの世論は「リメンバー・パールハーバー」が合言葉となり、戦争反対から賛成へと変わる。そして念願のヨーロッパに戦線拡大。


●2001年〜 NY同時多発テロ→アフガン・イラン空爆
○スローガン「リメンバー・9.11」「テロとの戦い」
つい、最近の出来事。ニューヨークで発生した国際貿易センター爆破事件。アルカイダの犯行と断定し「リメンバー911」「テロとの戦い」を合言葉に、 圧倒的国民の支持を得た米国政府はアフガニスタンに進攻。アフガニスタンを制圧したアメリカは、日本の時と同様「自由と憲法」を与え、親米政権を樹立し、米軍を駐屯。
今では自作自演であったという世界世論の方が大きい。(133002)


●土着民のインディアンの虐殺にはじまり、メキシコ、ハワイ、グアム、フィリピンの領土拡張にも同様に正当化するスローガンがある。
○スローガン「明白なる天意」

当時のアメリカ人は、自らが非白人劣等民族の領土を植民地化することによって文明をもたらすことを、神から与えられた「明白なる天意」(マニフェスト・デスティニィ)と称することで正当化した。



<参考>
吉村外喜雄のなんだかんだリンク
アメリカ合衆国の戦争の歴史リンク
 
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