生命原理・自然の摂理
20211 闘争系の本能回路と神経伝達物質、その1(根源本能)
 
吉国幹雄 ( 48 鹿児島 講師 ) 02/01/08 PM00 【印刷用へ
最近よく問題になるところの脳死に関連して、視床下部は一番最後まで生きているそうです。それほど生命体にとって根源的な本能機能の中枢が視床下部にあるということでしょう。実際に「食」「性」「体温」などの本能の中枢があるようです。(図で紹介できればよいのですが、サイト上で分かりやすい図が見つからないので、また見つかれば紹介します)。

生命体には、「形(内外の境界)がある」「代謝機能」「生殖機能」の三つが最低必要な条件で、それらが「外識機能=内識機能」によって創発的秩序能力を発揮し進化適応してきたのだと私は考えています。「食」は「代謝機能」、「性」は「生殖機能」、そして「体温」は(主に陸に上がってから、恒温動物である鳥類以降急激に発達してきたと考えられますが)、内部の反応すべてを左右するものでしょうから、「代謝」「性」「形」のすべてに関わっているのでしょう。逆に環境要因としての温度は生命体にとって重要な外部情報であり、この温度に関する外識と内識の機能の制御を中枢機能として携えているのでしょう。

このように見ていくと、やはりこの視床下部と本能回路は密接な関係があると思いますが、根源本能として「食」「性」「体温」がまず想定されるでしょう。ただし、「体温」は自律神経として独立しており、「意識」によって発動されない(情動として捉えられない)ので、「食本能」「性本能」を根源本能として議論を進めます。(食と性のどちらが根源かという点については、ウィルスから類推するに、私は性であると考えていますが、どちらかが欠けても生命体とはいえないので、ここでは並立させておきます)

まず、闘争系の回路について。

原始生物(単細胞レベル)においても、高等生物(多細胞生物)においても、闘争本能として備わっていなければならないのは、

1.餌をとる。 2.敵から逃げる

の二つが始原的な闘争本能行動であるのはまちがいないでしょう。認識機能としては、状況認識→対象認識という流れで、刺激→闘争機能→反応行動していると思います。本能回路としては、「食本能」が根源回路で、1→2の順番で本能行動が塗り重ねられたと思います。この点に関して、山田さんが面白い指摘をしています。

>危機→逃避のアドレナリンはよく分ったのですが、危機→怒り、戦闘のノルアドレナリンがよく理解できていませんでした。
というのは、哺乳類以前の多くの生物では、闘争というのは、ほぼ種間闘争なので、危機状態となれば、「逃げる」しかありえないと思い込んでいたのです。<(19827、山田さん)

私も、もともとは「逃げる」というのが闘争の根源にあって、そもそも敵から逃げるというのは敵の存在認識(餌の取り合い、さらに食べる食べられるの食物連鎖がおこる)の登場からでしょうし、さらに逃げずに「威嚇する」「戦う」というのは種間闘争が激化してからではないかと思います。
 
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