日本人の起源(縄文・弥生・大和)
201951 縄文時代人口統計に新説現る!〜小山人口説への問題指摘
 
田野健 HP ( 48 兵庫 設計業 ) 09/03/12 AM08 【印刷用へ
「縄文と古代文明を探求しよう」に訪問されたお絵かき爺さんリンクより縄文時代の人口問題に決着を付けるべく非常に貴重な論文を提示いただきました。今回、この論文を紹介すると共に論旨にあたる部分を抜粋投稿しておきます。(PDFなので全文抜粋はできませんでしたので、断片的ですが、論点が追える部分を紹介しておきます)尚、文中で中略としている部分にも多くの重要な分析が書かれていますので、必ず原文を参照下さい。

「縄文文化=ナラ林圏説の検証」藤枝俊郎氏、熊谷樹一郎氏
リンク
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1.はじめに
縄文時代から今日にかけて日本列島は大別してナラ林圏と照葉樹林圏に分けられるという。
縄文文化は東日本、すなわちナラ林圏において栄え、その繁栄の度合いは人口密度によって表現されるという。この説は主として佐々木高明氏によって熱心に説かれ、かつ広く受け入れられてきた。しかし一方、この説に対する批判もある。我々はまずこの説および、それに対する批判の展望をする。続いて今日の遺跡数の増大による状況の変化の影響、西田正規の指摘した土壌、地形の重要性を考慮した定量的な分析を行う。分析に用いた資料は国立奈良文化財研究所の遺跡データベース、日本歴史地図、国土交通省の土壌および地形分類のGISデータである。
分析の結果、縄文文化=ナラ文化圏の根底となっている人口密度推定の基本となった地方ごとの遺跡数の分布状況は、縄文文化―ナラ林圏説の唱えられた時期と今日大きく変化している。(中略)

小山の人口密度計算は時代別、地域別に遺跡数の分布を調べることによったという。遺跡数は文化財保護委員会が1965年にまとめた「全国遺跡地図」によったとされる。小山の原論文を読んでも、彼は遺跡の種別、集落、住居、配石構、貝塚等の区別をしたとは記述されていない。また縄文海進、海退による面積の変化についても記述はない。
そこで我々は奈良文化財研究所の遺跡データベースを利用し、その縄文遺跡31042件をそのまま利用する事にした。

佐々木高明氏によって説かれるところの縄文文化=ナラ林文化説のエッセンスとして掲げられるのは、小山修三氏の算出した縄文中期の人口密度分布で、ナラ林圏と照葉樹林圏に境界線が引かれている。
彼は東北日本のナラ林圏内に高い人口密度が見られ、これが縄文文化=ナラ林圏文化である証拠であるとする。ナラ林圏においては縄文時代の主食である堅果類が豊富で、サケマスの遡上が見られ、照葉樹林であるからその環境は明るいという。一方この地図中において西日本の照葉樹林圏内にある地方は人口密度が格段に低い。しかし、我々はこの地図の中で最も人口密度が高いのは関東地方であり、その大部分が照葉樹林圏に入っていることにすぐに気づく。だが、これについては何の説明もない。

これを批判したのが西田正規である。関東地方から東北地方にかけては東日本火山帯が、九州には西日本火山帯が走っている。そして日本の上空には偏西風が流れている。彼はその事を踏まえ、地図を作成した。
西田は「この地図を植生分布図と重ね合わせて一致したと見るより(人口と火山帯の関係は)よほどよく一致しているであろう」と述べている。
西日本において縄文遺跡がわずかしか発見されないのは、「近畿地方には関東地方にあるような平坦な台地形状の地形が見られず、殆どの場合、傾斜の強い山地が直接沖積地に接するかあるいはその間に扇状地をはさむのである。このような地形の差が遺跡の保存や発見の確立に差をもたらしている可能性は高く・・・」という。また大阪府における縄文遺跡がしばしば河川の底から見つかっていることをあげる。(中略)

〜続く〜

参考:縄文時代人口分布〜小山説リンク
 
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