実現論を塗り重ねてゆく
201523 快美欠乏と内圧上昇の矛盾
 
川井孝浩 HP ( 36 東京 設計 ) 09/03/06 PM04 【印刷用へ
過去、人類が略奪闘争・私権闘争へと舵を切ってしまった時、闘争集団化した人々は自集団の内圧を高めるべく、術や兵器開発に磨きを掛けた。以後、戦争進化の道が切り開かれ、皮肉にも闘争適応の末に国家が成立し、国家間の私権闘争は更なる技術開発による物的な冨を一部の戦勝国にもたらした。

しかし、歴史はそれほど単純ではなく、上記私権闘争には何時の頃か市場という共生(取引)適応の道が合流し、この取引関係はその後人類そのもの弱体化させる進化史上のマイナスベクトルを刻む事になる。

市場拡大の原動力は、性市場、即ち快美欠乏に根ざしたものであり、快美欠乏とは言い換えれば身の回りの不全をトコトン取り払う行為である、とも言える。共生適応といえば聞こえは良いが、実際には外圧回避の取引・駆け引きこそが主体であり、事実市場拡大による快美充足は、人類社会の内なる圧力上昇に完全に歯止めを掛けたといっても過言では無いだろう。

先日、なんで屋劇場(2009年3月1日)にて、生物起源に迫る追求が行われたが、そこで非常に重要な概念が提示された。

生命の発生から進化に至る全ての歴史を貫く概念、私はこれを
『内圧上昇に可能性収束し、統合した実現態こそが生物であり、進化である』
と捉えた。

この自然の摂理に照らし合わせてみると、現代の社会閉塞の原因もまた、鮮明になる。

即ち、外圧に適応すべくエネルギーを保存し、かつ内圧を高める仕組みを獲得した事で、単細胞⇒多細胞⇒集団動物⇒社会へと進化を続けてきた生物の歴史において、人類は生物史上初めて、内圧上昇機関を劣化させてしまう、という事態に直面しているのだ。

事実、無尽蔵に肥大化した市場は完全に行き場を失い、国家を巻き込んでの大破局(滅亡)を齎しかねない状態へと悪化してしまった。

しかし一方で、ここまで深刻な社会問題が顕在化したとなれば、今後は社会不全・統合不全という観念不全を新しい認識によって突破していく以外の道は無い、という事も自明の理となるだろう。

るいネット必読投稿リンクに連ねられた、「観念パラダイムの逆転」⇒「新しい潮流」⇒「超国家・超市場論」という構造認識の深さ、そして次代へ向けての可能性の提示に、改めて感銘を受けた。

未曾有の経済破局を前に、我々人類に与えられた課題。それが、社会的内圧を高める為に必要となる『万人参加の共認形成の場』であり、社会をも超える可能性なのだと思う。
 
  List
  この記事は 24982 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_201523
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp