国家の支配構造と私権原理
199845 万世一系の天皇制システム@〜源流は匈奴
 
衛藤信義 ( 40代 東京 エンジニア ) 09/02/16 AM11 【印刷用へ
日本書紀によって天皇家の万世一系観念が確立されたが、その万世一系思想の源流は騎馬民族国家の匈奴にあるらしい。
匈奴には天孫思想に加え、万世一系を実現する婚姻システムがあった。

そして、日本においても同様に婚姻氏族というシステムが存在し、臣・連という身分序列制度によって確立したようだ。后妃を送り出す姻族の座をめぐり有力豪族が争い、天皇制を支え(実質支配)ている。

以下、「おもしろそう紀」リンクさんより、引用して紹介します。

■源流は匈奴
・日本の王権の一系という理念は、日本の古代にあって自生したものでは
 ない。北方ユーラシアないし北アジアに発してついに列島に至ったもの
 である。

・岡正雄氏は列島の文化を時代を異にした二種の母系的文化・一種の父系
 的文化・一種の男性的文化 ・一種の父権的文化の重層したものとい
 う。うち最後の父権的文化こそ「父権的・『ウジ』氏族的・支配者文
 化」であり、王権が担ったそれという。

・この視点をもって日本の王権を見るとき、もっとも酷似すると思われる
 のは、前三世紀末葉から後一世紀末葉までの北アジアにあった、匈奴で
 ある。

・中国の史書「史記匈奴列伝」によれば、匈奴の冒頓単于が漢の文帝にお
 くった書に、自らを「天立つるところの匈奴大単于」「天地生むとこ
 ろ、日月置くところの匈奴大単于」と称したという。単于も「天の子の
 大いなるもの」という意味をもち、「天」が王権の由来であると主張し
 ている。天子すなわち天孫である。

・匈奴においては、単于の位はこれを冒頓の攣?氏に限定し、その男系に
 のみ継承された。事実冒頓の父頭曼を初代として、その後の三世紀、二
 二代を経た冒頓匈奴の単于は、すべて頭曼ついで冒頓を始祖とする一系
 のものであった。

■匈奴の婚姻氏族システム
・匈奴の一系は漫然と維持されたのではない。どうやら婚姻氏族の存在
 が、これを遵守するシステムを構築していたものらしい。すなわち単于
 氏には異姓婚姻氏族というものがあった。

・王家たる攣?氏に后妃をいだす異姓の氏族で、代々その役割を果たしつ
 づけた。これを閼氏(后妃氏)といい、呼衍・須卜・丘林・蘭など四氏
 あったというが、嫡后を出すのは時に須卜氏など限られた特定の婚姻氏
 族であって大閼氏とよばれ、後継単于に口を出すことがあった。通常は
 軍事や徴税に関らず、もっぱら行政と司法に関与したという。異姓大臣
 ともいわれている。これをみると婚姻氏族は時にあたって原則一氏であ
 ったのであろう。

・江上波夫氏は、匈奴の国家に重きをなしたこれらの異姓姻族と単于氏族
 を、先のように行政・司法と軍事・徴税をそれぞれ分掌するとともに、
 別の面では中央氏族と地方氏族をそれぞれ形成していたと言っている。

・匈奴が一系の王朝を維持したのは必ず偶然ではない。天上の子の王権の
 万世一系と悠久の姻族のシステムによって成立していたのである。
 匈奴の姻族の存在は王権の骨格の一つであった。王族と姻族の二者で、
 王族の万世一系を悠久に続けるためのシステムであった。その背後には
 この二者の貴種たる信念があり、その信念は「天地の立ち、日月の置く
 ところ」の王の概念に由来するものであった。天子・天孫の概念であ
 る。

・天の祭祀がおしなべて行われる北アジア・北東アジアで、さらに姻族の
 存在が確認あるいは推測される国家は寡少である。そのひとつがほかな
 らぬ突厥であった。
 匈奴も突厥も列島からは遠隔であるが、列島に近い半島の地で、若干手
 掛かりがある、すなわちかろうじて姻族らしき俗を伝える高句麗がこれ
 である。

(つづく)
 
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