共同体社会の実現
198706 「強欲資本主義」とは市場の本質そのもの
 
center_axis 09/01/31 PM04 【印刷用へ
 昨年の金融破たん以降、アメリカウォール街の常軌を逸した利益(カネ)への執着、そのことによるモラル崩壊、結果として市場では解決できずに国家(最終的には国民が負担)に救済を求めるしかない市場の現状に対して、「強欲資本主義」「欲望と幻想」などの視点からその問題性を指摘している文献が増えている。

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『「強欲資本主義ウォール街の自爆」神谷秀樹 著 文春新書』を読む。
p23宴の終わりの始まり
・アメリカの金融機関が抱えた不良債権は、最新情報で一兆三干億ドル一約百三十八兆円一に上っている。毀損した資本金の補填も、そろそろ限界にきている。ベアー・スターンズやリーマン・ブラザーズが潰れ、メリルリンチも商業銀行に吸収合併された。一つの時代が終わりを告げようとしている。それはまた「一つの資本主義」の終焉の到来を意味していると思う。
・これまでの資本主義、そう「強欲化した資本主義」は一部の人たちが巨大な富を形成し、一方で大多数の人々が搾取される仕組みと化した。そうした「強欲の仕組み」が崩壊しつつある。当面世界経済は縮小せざるを得ず、誰もが苦しい困難な時代を迎えよう。その後に、万人を幸福にする経済社会を築く仕組みを新たに考え出さなければならない。
(「Ddogのプログレッシブな日々」リンクより抜粋引用)
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 そこでは、健全な市場主義ではない一部の人たちによる暴走といった論調があるように思うがはたしてそうなのか。もともと、市場とは自分だけ儲かればいいという欲望や人々の快美欠乏を原動力として発達してきたのが実態だといえる。

30709 超国家・超市場論9「私権闘争の抜け道が、交換取引の場=市場である」四方氏
>(同様に、生活必需品の物々交換が市場の起源であるという話も、真っ赤な嘘であって、生存上の必需品を他部族に委ねる部族など存在しない。その様な物々交換は、市場(関係)がある程度日常的に存在する様にならない限り成立し得ないのであって、従って、市場の真の起源は、私権闘争の抜け道としての、快美幻想の共認、もっとはっきり言えば「騙し」をテコとする私益行為以外には考えられない。)
>性幻想を高める為の毛織物やレースをはじめとして、私権圧力下の解脱回路(主にドーパミン回路)が生み出す快美幻想がはびこり、生活全般に亙って快美(快適さや便利さ)を求める快美欠乏が上昇してゆくにつれて、その幻想共認が作り出す価格格差をテコとする市場はどんどん繁殖してゆく。

 つまり、現在の姿は市場の本質そのものであり、市場が健全に機能すれば正常に戻るということは希望的観測であって、どういうシステムを導入しようとも同様の結果となるのではないか。

 市場は国家に寄生するしかなく、しかも、この数年の金融工学の発達によるマネー市場の拡大によって、寄生している国家とともに共倒れの様相を呈しているのだといえる。やはり、市場には、社会を統合する気もなければ、またその力も持たないのだと思う。
 
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