サル社会を解明しよう
1985 種間闘争→大型化の矛盾と特殊解
 
四方勢至 ( 老年 京都 編集 ) 01/03/23 AM01 【印刷用へ
種間闘争に対応して大型化し、その地域の制覇種となったハヌマンラングールやゴリラやチンパンジー(彼らは制覇種だけあって、かなり凶暴です)は、大きな矛盾に直面します。(注:同じ大型の真猿でも、ニホンザルは早期に種間闘争から脱却したので、チンパンジーetcの様な矛盾には、直面しなかったものと考えられます。)

まず、大型化に応じて縄張りを拡大してゆけば、広域に散らばる(かつ、単独でも強い)オスたちを統合することが困難になります。そこで娘残留(=母系制)から息子残留(=父系制)に大転換して、生まれた時から一緒に暮らしてきたオスたちの親和共認と闘争共認を強化することによって、集団の統合を維持する方向に向ったのが原チンパンジー(人類の祖先と云われている)です。

他方、生殖年齢に達した娘・息子ともに放逐し、更にはオスも減らして縄張りを縮小してゆく方向に向ったのが、ハヌマンラングールやゴリラです。(この方向に向った原因としては、上記の集団統合の困難さに加えて、首雄がメスたちに逃げられない様にいつも身近にいてサービスに努める必要があるという点も大きいと、思われます。)そして、いったん縮小の方向に向かうと、制覇種の中の最強者たる首雄にとって、縄張りの防衛は容易なことであり、それよりも群れの中のオスたちとの性闘争の方がより重要な第一義課題と成ります。つまり、縄張り闘争上の仲間であることよりも、性闘争上の敵である側面の方が強く意識されます。こうして、全てのオスを追い出した単雄複雌型(≒原猿型)の生殖集団に後退してゆく事になります。
 
  List
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_1985
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
228527 何故ニホンザルが種間闘争から脱却し得たのか 山田孝治 10/03/18 PM07
213616 一夫多妻(単雄複雌)型のメスゴリラの交尾回避とは? ホームラン 09/08/26 AM00
111624 父性の喪失と闘えるオスの再生〜私権時代の「父性」はゴリラの方法論〜 太刀川省治 06/05/05 PM05
106197 ゴリラの生態 マー 06/02/23 PM01
92074 人類の大型化について 新川啓一 05/06/04 PM10

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
本能と観念の中間領域とは霊長類の世界では?
哺乳類の性闘争本能
ゴリラ、テナガザル、オランウータンと人類
『性闘争本能から縄張り闘争へ』
原猿における共感機能の進化の流れ
原猿のメスについて
原猿の縄張り闘争と子供の集団への残留
哺乳類のオスメスの庇護依存関係と原猿の雌雄共認との違い
原猿→真猿→人類のメスの共認回路@
原猿→真猿→人類のメスの共認回路A
真猿の同類闘争と共認機能
縄張り闘争と同類闘争
同類闘争の安定化と衰弱の一般則
農業・百姓を通して見た現代人−A
チンパンジー
種間闘争→大型化の矛盾と特殊解
サル時代の婚姻様式
特殊解としての大型化→性闘争→子殺し
チンパンジーの娘移籍に関する仮説
共認回路と自我回路
力の論理と共認機能
自我の源泉は、共認の部分否定にある
序列闘争は、共認されている
原猿類の生態(資料です)
驚くほど人間っぽい
原哺乳類と原猿の進化について@
真猿の進化史
アジアにおける原猿〜真猿への進化(3)
親和・性充足の強化による秩序維持の例
相手と自分を同一視する潜在思念

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp