>また資源という点では都市鉱山に注目すべきであろう。これまでに既に膨大なレアメタル、金属を日本は国内に溜め込んでいる。196415
都市鉱山のレアメタルといっても、あんなに複雑で頑丈に作られた日本製精密機器の中から、どうやって微少なレアメタルを取り出すんだろう?と思っていました。具体的な記事を見つけたので紹介します。
wired vision「都市鉱山」に至る道が見えてきたリンクより
途中省略有り
////////////////////////////////////////////////////////////////
──2008年1月、物質・材料研究機構は「わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵」という発表を行い、注目を浴びました。
金については、世界の現埋蔵量42000トンに対し、日本の都市鉱山は約6800トンで約16%。ほかにも、銀は22%、インジウム16%、錫11%など、世界埋蔵量の1割を超える金属が多数あることがわかりました。ちなみに、世界的に見ても、金や銀は現埋蔵量よりすでに採掘された量の方が多くなっています。
みなさんは驚かれたようですが、考えてみれば当たり前の話です。日本は世界中から資源を集めてモノを作り、経済発展をしてきたのですから。私は、こうして蓄積された資源をきちんと利用していきましょうと当たり前の提案をしただけです。
ただし、資源があることはわかっていても、埋蔵金のようにパッと取り出せるわけではありません。再利用できるのは、そのうちのごくわずかです。
──昔は、お金を出してくず鉄やガラスを引き取る業者がいました。
鉄とガラス、紙は、資源として再利用しやすく、リサイクルで儲けられる仕組みが日本でも整っていました。
リサイクルで儲けるという意味で言えば、現在の中国や米国の方が進んでいる面もあります。大量に捨てられるモノから、お金にできる資源だけを上手にかき集められれば、ビジネスが成立するのです。ただ、それは大量にモノを捨てる経済を容認しているからこそ可能なわけで、日本ではなかなか難しいでしょう。日本の場合は、量に頼れない分、技術力で勝負する方法を考えないといけません。
──現状のリサイクルでは、資源を取り出すためにどれくらいのコストがかかっているのでしょう?
端末の基板を取り出すのに1台当たり50円強、レアメタルが多く含まれるICチップまで取り出すとなると120円程度、これに加えて廃棄物の処理コストがかかります。1台の携帯電話に含まれている金はだいたい90円分、その他の金属を含めて120円ですから、ほとんど利ざやがない状態です。
──一般消費者はリサイクルにどれだけのコストがかかっているか、意識しませんね。
最後に金銀を取り出せば儲かるのだから、その業者までボランティアで端末を届ければいいとか、業者が端末を買い取ればいいと思っている人は少なくないでしょう。しかし、実際には取り出すにも廃棄物を処理するにもコストがかかります。
天然鉱山の場合、掘り出した鉱石をそのまま製錬所に持っていくことはほとんどありません。例えば、日本は外国から大量の銅を輸入していますが、銅鉱石をそのまま輸入しているのではなく、選鉱(不純物などを除く処理)を経てから輸入しています。そうでないと、銅1トンを作るためには銅鉱石が300トン必要ですから、とても船で運ぶことはできません。ちなみに、ステンレスに使われるニッケルの価格は、鉄より高くなっています。ニッケルは選鉱が難しく掘り出した鉱石をそのまま溶かして製錬する必要があるので、どうしても高く付いてしまうのです。
携帯電話などから資源を取り出して利用する場合にも同じことが言えます。製錬しやすいように付加価値を高め、それを製錬所が買い取るという流れを作り出さないと、資源リサイクルはうまく回らないでしょう。
そのため、基板やチップの取り出し部分に技術を投入してコストを下げればよいのではないかと考えました。非常に単純で素直な発想です(笑)。
〜続く |
|