■目次
第1章 アメリカ合衆国の文化攻勢としての占領改革
第2章 冷戦、「逆コース」、ナショナリズムの台頭
第3章 「ソフト・ピース」と「ふさわしい地位」
第4章 東京でのジョン・D.ロックフェラー三世―文化交流かそれとも文化帝国主義か
第5章 ロックフェラー報告書―共産主義の脅威に対抗して
第6章 日本知識人への文化攻勢
第7章 日本人を親米派に―一九五〇年度東京大学アメリカ研究セミナー
第8章 分権か対抗か―京都アメリカ研究セミナー
第9章 「形だけの民主主義」
■書籍紹介(リンク)
占領期に始まる米国の対日文化政策は,今日まで日本人の精神に深い痕跡を残している.本書は,「双方向の交流」を謳った米国の文化政策が,実は冷戦のパラノイアと日米の非対称性によって深く冒されており,その結果日本知識人の中に深刻な対米依存が形成されたことを,米国側の膨大な1次史料を駆使して描き出したものである.
■書評等
天木直人のブログ(リンク)
>松田武大阪大学教授の手によるその本は、1951年に「講和使節団」の一員として来日したロックフェラー3世が、東大を頂点とする日本の高等教育機関の序列化を図り、研究助成金をばら撒くことによって日本の指導的知識人たちが日米摩擦について口を閉ざすように仕向けて行った事を、明らかにしている、という。
毎日jp(リンク)
>戦後60年以上を経てなお重要度を増す一方の大命題。本書はその深層を、第一線の研究者が米国側の膨大な一次資料を駆使して描出した、刺激的な論考だ。
>米国の対日占領政策は、日本および日本人に関する仔細な研究に基づいていた。暴力的な押し付けではなく、ロックフェラー3世の掲げた双方向の文化交流が、ただし露骨な人種差別意識にも彩られつつ進められた。 |
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