心の本体=共認機能の形成過程
18738 ドーパミンの基礎知識(ドーパミンの特異性)
 
吉国幹雄 ( 48 鹿児島 講師 ) 01/12/18 PM00 【印刷用へ
オキシトシンと同様に快感物質(解脱物質)といわれるドーパミン。この伝達物質は特にサル人類に顕著な神経伝達物質であり、サル・人類史(つまり、共認回路あるいは観念回路)と深くかかわる物質です。今回は、議論を進めやすいように、ドーパミンに関する基礎的な知識をまとめてみます。

●特異なカテコールアミンである
ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの三種の物質をまとめてカテコールアミンと呼びますが、いずれも覚醒物質であることには違いないのですが、ノルアドレナリンもアドレナリンも交感神経から脳の外に多く分泌されています(つまり、ホルモンとして働いています)が、ドーパミンのみが脳内にとどまっている神経伝達物質です。

ドーパミン作動性のニューロンでは、ノルアドレナリンを合成する反応を触媒するドーパミン−β水酸化酵素が欠如するため、神経終末からドーパミンを放出するようになった一連のニューロンです。つまり、化学的には<チロシン→ドーパ→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン>と作られます。ところが、神経伝達物質として進化とともにより途中段階の毒性の強い、構造的には簡単な物質を逆に使うようになったと考えられます。このことは、カテコールアミン作動性の神経では、ただ一種類の物質ではなく、この3つが同時に分泌されているのが観察されていることからも推察されます。おそらく、進化の段階で酵素が働かなくなった結果たまたまできたドーパミン(その毒性が強いにもかかわらず)を、使うという異常な状態が発生し、それを使うことで(おそらく不全を)麻痺させることに成功したのではないかと思います。

また、ドーパミン作動性のA10神経の末端では、前回触れたオートレセプターがない構造も見られるので、負のフィードバックが働きにくい構造を持っているようです。ドバッと出っ放しになってしまうということ。

●サル・人類に特異的である。
魚類・爬虫類においては、脳内のカテコールアミンは、ほぼノルアドレナリンとアドレナリンだが、哺乳類になって大半がノルアドレナリン。サル・人類においてはドーパミンがノルアドレナリンに達するほど増加しています。

サル・人類の知能の発達とドーパミンは切っても切り離せないということになります。今まで見てきた神経伝達物質が単細胞・無脊椎動物まで起源をたどることができたのに対し、ドーパミンは進化的にはサル人類になって始めて神経伝達物質として多量に使われるようになったわけです。実現論では快感物質として、闘争共認の成立、そして自我回路の成立にも使われたと考えられている物質です。

脳内では、中脳と視床下部のところにドーパミン作動性の神経の中枢があり、視床下部発のドーパミン作動性神経は下垂体に働いて(脳内を下降して)ホルモン分泌を制御しているようですが、中脳から出ている神経は、視床下部を通って、大脳辺縁系神経を伸ばし、さらに大脳新皮質へと上昇し、特に側頭葉の内側(快感を感じる場所といわれている)に入っているようです。つまり、いたるところにドーパミン作動性の神経が張り巡らせているということです。

●+物質であること
共認の鬼っ子としての自我回路とくれば、封鎖・封印すべき対象ということですが、「ドーパミン」そのものが脳内でこれほど分泌されているので、自我回路だけに使われているのではなく、また快感物質であるのは間違いないようですが、働く場所によって快感の中身が違うようです。実際にドーパミン作動性の神経が他のドーパミン作動性の神経を制御している場合もあるようですから。

快感のうち、性の快感について言えば、ラットの実験ではメスではロード−シス反射は増加するが、誘惑行動は著しく減少する。オスでは交尾行動を促進する。性行動と関連は強いのですが、しかし、働く場所によって効果を期待できない、あるいは他のホルモンとの連動でないと思ったほど効果はないということのようです。(ドーパミンは外から直接注入できず、脳内で作られるのでうまく実験できないのかもしれませんが)

いずれにしろ、+物質(活力となる物質)であることは、間違いなさそうです。活力物質(覚醒物質)としては、アドレナリンもノルアドレナリンもあるので、そちらの検討も必要ですが。

ただ、現象的には、手先が震えるパーキンソン病は脳幹周辺のドーパミンが枯渇して引き起こされることははっきりしているようです。ただ、治療のためにドーパミンを脳内で多量に発生させると分裂病になる場合が多いということもわかっています。
 
  List
  この記事は 18444 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_18738
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
341276 ドーパミンによる快感は共認充足への可能性収束の結果獲得した!? 女の職場話 18/12/01 AM00
19163 ドーパミン@ 蘆原健吾 01/12/22 AM01

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
ゴリラ、テナガザル、オランウータンと人類
サルからヒトへの足の指の変異:『地上生活順応説』には物証もなければ論理的反証が多すぎる
ヒトはいつから言葉を話し始めたのか(2)
人類史を追求する意義と視点
原基構造の不変部分と可変部分
地球の気候変動と人種移動
モンゴロイドの歴史@ 20万〜4万年前 スンダ・モンゴロイド、北方モンゴロイドの誕生
モンゴロイドの歴史A 4万〜1.3万年前 中央アジア・モンゴロイドの誕生と拡散
モンゴロイドの歴史B 1.4万〜1万年前 スンダ・モンゴロイドの拡散
モンゴロイドの歴史C 1万年前〜6000年前 新モンゴロイドの誕生と拡散
モンゴロイドの歴史D 5500〜3000年前 寒冷化→新モンゴロイドの本格的な南下→中国へ
モンゴロイドの誕生と北方への進出
南方モンゴロイドの拡散と新モンゴロイドの誕生
北方モンゴロイドの拡散(ツングース族、モンゴル族、テュルク族の起源)
家畜化と農耕と遊牧、都市国家1〜家畜化と社会余剰〜
家畜化と農耕と遊牧、都市国家2〜家畜化と社会余剰〜
牧畜によって何が変わったのか?
遊牧によって何が変わったのか?
交易によって何が変わったのか?
遊牧部族の父系制転換
中国文明の起源
遊牧民の中国支配史2: 〜夏・殷・周の成立〜
遊牧民の中国支配史3: 〜春秋戦国時代・秦〜 550年間にわたる遊牧部族同士の同類闘争が、心を歪ませ、思想を発達させた
遊牧民の中国支配史4:漢の時代〜冊封体制と朝貢制によって中国史上初の私権統合体制を実現した漢帝国〜
遊牧民の中国支配史5: 〜五胡十六国・南北朝の時代〜 400年に渡る戦乱により、血縁を紐帯とした部族集団が悉く解体され、現代中国の原型=3層の人民構成が形成された
中国とは何者か?−ヨーロッパとイスラムと中国−
潮流1:共認原理と私権原理
2600年前頃、古代宗教・思想の世界同時成立期・・・・そして大転換期の現代
1万年前以前の極寒期には南欧以北の欧州は無人だった
原欧州人とシュメール人の出自
5500年前、イラン高原で最初の略奪闘争(戦争)が勃発
3500年前、コーカサスと地中海は略奪部族の支配国家と山賊・海賊だらけになった
2900年前、海の民の侵略で地中海沿岸の部族共同体は崩壊
略奪集団であるが故に自我の塊になった西洋人
西洋人の精神構造と異常な性意識

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp