日本人の起源(縄文・弥生・大和)
185892 日本書紀は誰のために書かれたのか?A〜矛盾点から見えてくるもの〜
 
ベジ紀 ( ネバーランド ドレッシングはかけない ) 08/09/17 PM01 【印刷用へ
【矛盾点から見えてくるもの】

ここで、この日本書紀編纂期間の34年間で、何か変わったことがなかったか?探ってみると、二つほど不思議なことが起きていました。

まず一つ目は、天武天皇が亡くなった後すぐに、息子の大津皇子が謀反の疑いをかけられ、自殺に追い込まれている点です。
この大津皇子は度量広大で人気があったとされており、しかも、どんな謀反だったのかの記述も特になく、どうも腑に落ちません。

ここで一つの推論ですが、大津皇子は天武天皇と大田皇女の息子であり、しかも持統天皇の息子である草壁皇子よりも人気があったため、持統天皇が息子の草壁皇子を天皇に擁立するために、謀反の疑いをかけて殺したというのはないでしょうか?


もう一つ不思議なことは、壬申の乱で、中臣鎌足が大友(天智の息子)側に就いたために、天武朝では中臣氏は大島を除いてことごとく締め出されているのにも関わらず、鎌足の息子である藤原不比等(大宝律令の編纂に貢献した)という人物が、天武天皇亡き後、持統天皇に種々の大抜擢(息子の草壁皇子の助言者や判事の任)を受け、朝廷の中枢を担ってい点です。
一般に、持統天皇は、天武天皇の遺志を継いで、皇位についたはずなのに。

ここでまた一つ推論を。
持統天皇は、天武天皇の遺志を継ぐ気はさらさらなく、息子の草壁皇子を天皇にすることしか頭になかったのではないでしょうか?

また、不比等としても、持統天皇に従って、草壁皇子を天皇に擁立するのを手伝い、あわよくば日本書紀の編纂にも携わることができれば、父鎌足の入鹿暗殺の正当性を主張することができます(不比等が日本書紀の編纂に関わっていたとする記述は日本書紀の中にはどこにもありませんが、説自体は多数あります)。

ここで一旦、日本書紀編纂に不比等が関わっていたと仮定してみることにします。
すると、不比等は、天武天皇のために編纂したように見せかけて、その実は、父鎌足の業績を礼賛し、父を重用した天智系の朝廷の復活を望んでいた可能性が見えてきます。

そこで、もう一つの矛盾点、女性の神(天照大神)を重視している点で、思い浮かんでくるのが、邪馬台国の卑弥呼とのつながりです。そこから不比等が、自分を大抜擢してくれた持統天皇を皇祖神に仕立て上げることで、自分の思惑(天智系の復活と父親の正当化)も、持統天皇の目的(息子を天皇に。結局は若くして亡くなり、孫の珂瑠皇子《文武天皇》が不比等により擁立されます)もどちらも達成することができることになります。

そこから、日本書紀の中で、この天皇を始祖に仕立て上げれば、それ以降の朝廷は、天智天皇の娘の朝廷に化けられるというカラクリが見え隠れします。
 
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