日本人の起源(縄文・弥生・大和)
184428 【要約】『邪馬台国論争終結宣言』山形明郷著〜C卑弥呼は遼東侯公孫氏の係累
 
谷光美紀 ( 30代 愛媛 経理 ) 08/09/01 PM10 【印刷用へ
■卑弥呼は遼東侯公孫氏の係累
倭人傳が語る「倭」が古代朝鮮の史実であって古代日本の史実ではなかったと同様、彼女卑弥呼も又、日本人ないしは日本列島に於ける存在ではなかった。
『晋書巻97四夷傳』に「名を卑弥呼と曰う。宣帝の平らぐ公孫氏なり。」との記載があり、「争乱に明け暮れていた倭に一人の女性が擁立され王になって乱も収まった。その女王に即いた者の名を「卑弥呼」というが、彼女はかつて西晋の始祖宣帝に滅ぼされた「公孫氏」であった」と伝えているのである。
ちなみに宣帝とは、魏の司馬仲達のこと。もと東漢の外臣で、4代50年に渡って遼寧省一帯に君臨した公孫氏の太守、渕(えん)を西暦238年に討ち、これによって曹魏の遼東平定が成る。

■倭国大乱とは何をさすか
『後漢書巻90鮮卑傳』に「光和元年の冬、即ち西暦178年の冬頃に入り、族衆も日ましに多くなり、旧来の牧畜射猟一辺倒の政策では食糧難をきたす恐れが出てきた。そこで族長の檀石槐(だんせきかい)は自ら行動を起こし、領域中をくまなく調査したところ、烏侯秦水(うこうしんすい)という河川があり、その河川中には多量の漁獲資源が存在していることに気付いた。だが、もともとが遊牧民である彼らには、その資源を得る為の漁(すなど)りの技術が無かった。聞き及び所によると、倭人と称される人々は、魚網を巧みに使い漁(すなど)りを能くすると謂う。族長檀石槐(だんせきかい)は兵を起こし、東に在る倭人国へ侵攻し、千戸ほどの聚落を拉致し来たり、秦水のほとりに住まわせて漁労に従事され、彼らに漁獲資源を取らせ鮮卑族の食糧難打開に一役を担わせた」という記述(注:意訳)がある。
倭国大乱とは、鮮卑族集団の大々的な侵攻をきっかけに、倭国が国家統制に支障をきたし、結果として主導権争いの内紛に発展したものと勘案される。

倭国大乱の勃発が西暦178年末で、終結年が卑弥呼の即位年とすれば、その期間はまさに公孫氏の最盛期である。公孫度(たく)は、玄莵・遼東方面を攻略してやまなかった高句麗をはじめ、烏丸(うがん)・鮮卑等を征し、西暦190年に営・平2洲を掌握し、遼東侯平洲牧(へいしゅうぼく)を称し、韓や倭への内政干渉を活発化させ、その後3世紀初頭に至り、帯方郡を進出させ、韓・倭をその統轄下に置いていく。
その勢力は魏の曹操に対して「扶余(ふよ)・穢貊(わいはく)百万の兵を擁し、我は遼東に王たり」と豪語するほどであった。

以上から、当時遼東に君臨した公孫度が、遡ること12年前、鮮卑族の侵攻によって内乱を誘発され、事後、主権をめぐって争乱に明け暮れていた倭国収拾策として、自らの勢力的背景を托し送り込んだのが「卑弥呼」ではなかったか。

さらに、その後の公孫氏を見れば、卑弥呼が魏に朝貢した事情も分かってくる。
卑弥呼が魏に朝貢したのは、魏の遼東平定(=公孫氏が滅亡)の翌年のこと。すなわち、倭国としては、遼東の公孫氏勢力が魏に対しての緩衝地帯となっていたのが、根こそぎ消えてしまったわけで、倭国の存亡をかけて魏朝と誼(よしみ)を通じる必要があったのであろう。
また、今ひとつ、卑弥呼には、公孫氏の存命者の助命嘆願が責務としてあった。実際、公孫氏中、唯一の存命者は度(たく)の子、恭(きょう)のみで、他はみな殺しであった。卑弥呼の朝貢に対して皇帝が「これ汝の忠孝心、我は甚だ汝を哀れまん」と言ったとの記述が『三国志』にあるが、通常朝貢に対しては「忠順・忠節・忠義・忠烈」などの言葉が普通である。「忠孝・哀れまん」は異例であることからも、卑弥呼が公孫氏一門の者であったと考えられよう。
 
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