日本人と縄文体質
182549 老舗企業の技術革新・・・「老舗企業大国」日本(1/3)
 
丸一浩 HP ( 知命 滋賀 農業 ) 08/08/01 PM11 【印刷用へ
■日本の集団性の高さや技術力の高さ、そして工夫志向や自然の摂理に学ぶ姿勢を紹介している記事があったので、紹介します。

● ■■国際派日本人養成講座Japan On the Globe(558)
 国柄探訪: 老舗企業の技術革新
 情報技術やバイオテクノロジー分野で活躍する日本の元気な老舗企業。
 H20.07.27リンク

〜以下引用〜 
■1.「老舗企業大国」日本■
 我が国は、世界で群を抜く「老舗企業大国」である。創業百年を超える老舗企業が、個人商店や小企業を含めると、10万社以上あると推定されている。その中には飛鳥時代、西暦578年に設立された創業1400年の建築会社「金剛組」だとか、創業1300年になろうかという北陸の旅館、1200年以上の京都の和菓子屋など、千年以上の老舗企業も少なくない。
 ヨーロッパには200年以上の会社のみ入会を許される「エノキアン協会」があるが、最古のメンバーは1369年に設立されたイタリアの金細工メーカーである。しかし、これよりも古い会社や店が、我が国には百社近くもある。
 お隣の韓国には俗に「三代続く店はない」と言われており、せいぜい創業80年ほどの会社がいくつかあるに過ぎない。中国でも「世界最大の漢方薬メーカー」北京同仁堂が創業340年ほど、あとは中国茶、書道用具など百年以上の老舗が何軒かある程度である。
 さらに興味深いのは、百年以上の老舗企業10万社のうち、4万5千社ほどが製造業であり、その中には伝統的な工芸品分野ばかりでなく、携帯電話やコンピュータなどの情報技術分野や、バイオテクノロジーなど先端技術分野で活躍している企業も少なくないことだ。

■2.髪の毛の1/8の細さの金の極細線■
 そんな企業の一つが東京の田中貴金属工業である。明治18(1885)年に東京の日本橋で両替商「田中商店」として出発した。明治22(1889)年には、白金の工業製品としての国産化に成功。以来、貴金属の売買と加工を二本柱としてやってきた。
 現在の代表製品の一つが、金の極細線。最も細いもので直径0.01ミリ、髪の毛の1/8ほどの細さのものが作られている。たとえば携帯電話でバイブレーションするものは、大きさ4ミリほどの超小型モーターが使われているが、そのブラシに極細線が使われている。そのほか、ウォークマンや車のミラーを動かす超小型モーターにも、適用されている。
 金は錆びないし、熱や薬品にも強く、導電性も高い。さらに薄く長く伸ばせる。1グラムの純金を、太さ0.05ミリの線にすると、3千メートルにもなる。そうした貴金属の特長を、長年磨いてきた加工技術で引き出しているのである。今や世界中で使われる金の極細線の大半は、田中貴金属が供給している。
 同社ではさらに、プラチナでガン細胞の成長を抑えるとか、銀にカドミウムを加えて接点としての性能をあげる、など、貴金属の新しい特性を引き出す革新的な研究開発を続けている。
 同社の技術開発部門長の本郷茂人(まさひと)氏はこう語る。     貴金属のほうから、そういう特性を世に出してくれ、出してくれって言っているようにな気がするんですよ。われわれが特性を探し出すんじゃなくてね。世の中に出してくれ、出してくれと言っているものを出してやるように努力するのが、われわれの仕事じゃないかと思うんです。
[1,p46]
■3.金箔は人の心を読む■
 携帯電話の中で、折り曲げ可能なフレキシブル・プリント基板配線用の銅箔では、日本国内のライバル1社と合わせて世界シェアの9割を占めるのが、京都の「福田金属箔粉工業」である。
 設立は元禄13(1700)年、赤穂浪士の討ち入りの2年前に、京都・室町で金銀箔粉の商いを始めた時に遡る。創業300年以上となる老舗である。以来、錫箔、アルミ箔、銅粉、アルミ粉など、箔粉技術一筋にやってきた。
 金箔の技術は仏教とともに渡来した。寺院や仏像、仏具の装飾に、金箔が広く使われていた。当時の製法は金の粒を狸の毛皮に挟んで、槌(つち)で叩いて伸ばしていく。極細線と同様、髪の毛の1/8ほどの薄さに引き延ばす。比率で言えば、10円玉の大きさの金を畳2畳ほどに広げる勘定になる。伝統的な職人の間では、次のように言われている。
 金箔は人の心を読む。機嫌の悪いときには言うことを聞かない。時には嘲笑(あざわら)ったりする。金箔は生きているから。
 福田金属も、こういう職人気質を受け継いで、世界最高品質の銅箔を作り続けているのだろう。 
■4.「お米の持つ力を近代の日本人は引き出してこなかった」■
 香川県の勇心酒造株式会社は、安政元(1854)年創業で、すでに150年以上の歴史を持つ。現在の当主・徳山孝氏は5代目である。
 徳山氏が30歳の若さで、勇心酒造を継いだ時、清酒業界はすでに斜陽で、老舗の造り酒屋が次々と倒れていった。東大大学院で酵母を研究した徳山氏はコメと醸造・発酵技術を結びつけて付加価値の高い商品を作ろうと考えた。
 お米の場合、清酒や味噌、醤油、酢、みりん、あるいは焼酎、甘酒といった非常に優れた醸造・発酵・抽出の技術があるんですけれども、明治以降、新しい用途開発がまったくと言っていいほどなされていなかった。つまり、近代に入ってから、お米の持つ力を日本人は引き出してこなかっ た。・・・
 近代科学が行き詰まっているいまだからこそ、米作りのような農業と醸造・発酵の技術とをもう一度リンクさせ、付加価値の高いものを作ろうと、お米の研究に取りかかったのです。[1,p90]
 先祖伝来の土地を切り売りしながら、毎年1億円以上を研究開発に注ぎ込んだ。むかし米が湿布薬に使われていたという古文書の記述をヒントに、ようやく昭和63(1988)年にライスパワーエキス入りの入浴剤を開発して売り出したところ、たちまち年間3百万本のヒット商品に成長した。
〜続く〜
 
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