生命原理・自然の摂理
181378 安定と変異という二元論を超えた雌雄の協働性
 
安藤太地 ( 29 埼玉 会社員 ) 08/07/16 PM08 【印刷用へ
>つまり、雌雄分化とは、原理的にはより安定度の高い性(雌)と、より変異度の高い性(雄)への分化(=差異の促進)に他ならない(実現論1_2_02)。


雌雄分化した生物はその差異を促進する形で進化可能性を高めてきたのだが、得てして「雌は安定」「雄は変異」という二元論で解釈してしまうことがある。


確かに遺伝子レベルで見ていくと、雌雄によって「安定と変異」の役割分化が成されている。
例えば雌の性染色体(XX)は相同性をもっているが、このX染色体には免疫機能に不可欠な遺伝子を多数含んでいる。したがって、なんらかの遺伝的な病気にかかり、片方のX染色体がダメージを受けても、雌はスペアのX染色体を作動させることで病気への抵抗性を高めている(XY染色体である雄はX染色体のスペアがないため、病気になり易い)。

逆に雄の性染色体(XY)は相同性を失うことで、減数分裂による遺伝子組み換えの際に突然変異が起きやすくなり、結果Y染色体は突然変異が蓄積される「変異性の高い」遺伝子となる。


しかし、重要な点はこれら遺伝子群はどちらか一方が単独で作動しているわけではないということである。
例えばY染色体の中には雄性ホルモンを作り出す遺伝子を含んでいるが、この遺伝子だけではホルモンが分泌されないようにできている。X染色体にある雄性ホルモン受容遺伝子と組み合わさることで、初めて雄性ホルモンの分泌が起きる。
非常に興味深い事だが、雄としての機能(外圧適応のための身体的な特徴)を発現させるには、雌のX染色体が必要なのである。

雌雄の役割分化は確かに存在し、これによって適応可能性が開かれたと考えられるが、「雄として」「雌として」の役割も雌雄の遺伝子の協働によって初めて実現されるのものであり、「雄は変異」「雌は安定」という二元論を超えた雌雄の協働性に目を向ける必要がある。


参考図書:「性を決めるカラクリXY染色体」 Newton 2006年2月号
 
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