共同体社会の実現
179532 「身分」と「お金」の変遷
 
越見源 ( 44 大阪 都市計画 ) 08/06/20 PM08 【印刷用へ
>「身分」も「お金」も、評価指標として夫々の社会で固く共認されており、その共認圧力が夫々の社会での最大の圧力源=活力源にもなっている。しかし、この両者には大きな違いがある。
その違いは、根本的には、身分を作り出す国家が闘争圧力に対応した「集団(統合)適応」の存在であるのに対して、お金を作り出す市場は闘争圧力からの抜け道としての「共生(取引)適応」の存在である点に由来している。(超国家・超市場論11 市場は社会を統合する機能を持たない31251

日本における「身分」と「お金」の変遷について考えてみた。

@江戸時代・・・「身分」が最先端の評価指標

鎖国体制ゆえ欧米からの市場化圧力を直接的には受けていないが、幕府は欧米の事情についてなかり詳しく把握しており、既に潜在的圧力を感じていたと思われる。
そんな中、幕藩体制と士農工商といった、集団(統合)原理に基づく固定的な(同類闘争⇒)序列制度、身分制度によって社会を統合。
また、農村は勿論のこと、江戸などの都市部においても、武士以外は本源集団が生きる場であり、市場化の流れは既に在ったが、未だ私権意識は薄弱。(→「お金」への収束力は未だ弱い。)
よって、最先端の評価指標は「身分」であり、例えば、農民の家に生まれれば農民としていかに真っ当に生きるか?に意識は収束。

A明治以降〜貧困の消滅・・・徐々に「身分」から「お金」に転換

開国によって、欧米からの市場化圧力にモロさらされるようになる。
幕藩体制や士農工商は廃止され、国家統合力が一段衰弱。地租改正による土地の私有制や父系制の導入で共同体の解体がはじまり、更に、個人主義を中核とする西洋思想が流入してくるにつれ、私権意識が芽生える。
そして、時代を経る毎に徐々に私権獲得の可能性が広がり、人々の意識は徐々に“国家・集団の統合から、私的充足の追求”に転換してゆく。
・・・このような状況下、生存圧力が残り続ける以上本能次元の序列原理は残存する・・・つまり「身分」は評価指標として残り続けるが、平行して私的充足実現に不可欠な「お金」が評価指標としての地位を上昇させ続ける。
やがて、貧困の克服=生存圧力の衰弱に伴い「身分」への収束力が弱まると、「身分」は、「お金」を得るための二義的な立場に転落してゆく。(統合のためでなく、お金のための出世)

B1970年 貧困の消滅・・・まず「身分」、次に「お金」が衰弱

生存圧力が概ね消滅したことで、即応するように本能次元の序列原理も崩壊。従って、「身分」も本格的に生命力を失った。
潜在思念レベルでは、生存圧力の消滅によって私権活力も衰弱し、「お金」も輝きを失うはずだが、本能原理に依拠せず、騙しによって観念的に作り出された「お金」は延命。序列崩壊に伴う目先の私益獲得可能性上昇の流れの中で、バブルを作り出す。
しかし、1990年以降のバブル崩壊や、1997年以降の経済危機などを通じ、遂に「お金」も最先端価値としての輝きを失う。
・・・ただし、他に評価指標らしきものが見い出されていないため、現在も人々を弱く収束させている。

C2000年以降・・・再び同類闘争⇒集団統合原理再生⇒新評価指標へ

共認動物である人類社会は、共認原理により統合され、必ずなんらかの評価指標に収束することで統合される。
ところが「身分」も「お金」も色褪せて活力を生み出せなくなってしまった結果「収束不全」が顕在化。
そして、遂に、新たな社会的評価指標の探索=社会収支、認識収束の潮流が生起しはじめた。
世界中に浸透し、統合機能を持たないがゆえに絶えず人類を混乱に陥れ続けた市場の衰退に伴い、近い将来人類社会は再び同類闘争圧力=認識闘争圧力に対応した集団(統合)原理に委ねられるようになるはずであり、必然的に新たな評価指標・・・ex.「資格」に収束すると思われる。
 
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