市場は環境を守れない、社会を統合できない
177438 たとえば法定耐用年数を倍にすれば
 
鈴木康夫 ( 46 東京 建築士 ) 08/05/25 PM06 【印刷用へ
 企業経営上、決算は重要な指標である。会計上、資産(例えば建物、機械、車両など)はその取得した年度に一括して計上せずに法廷耐用年数に応じて分割して減価償却費として計上できる。

 ここで、耐用年数を倍にするとどうだろう?

 その企業は法定耐用年数以上使わなければ、採算上あわない。そして、一般的にその資産を製造するコストは倍にはならない。例えば、10億円の鉄筋コンクリートの事務所ビルは法定耐用年数は50年であるが、これが100年となっても、概ね13億円で作れるようだ。つまり、単年度の減価償却費は2000万円から1300万円になり、700万円の差額が発生する。

 これは、大量生産・大量消費の原理から離れていくこととなり、プライスはあがる。つまり、本当に必要なものしか買わないし売れない。この視点が「一世代完結消費」から「多世代共有消費」への転換となり、物的生産以外の社会的な活動(真の環境対策など)へシフトする契機となる。その上で過剰な物的生産を抑制できるプロセスに移行できる。そして、製造、物流、販売をふくめた産業構造が転換していくこととなる。

 マクロ的には、環境問題の原因となる製造業の生産が縮小していくこととなり、より認識生産といわれる部分へ転換が求められる。貧困の消滅→物的市場が飽和した日本にとって、この転換がいま必要だ。
 
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