遊牧集団が拡大し、もとの集団から独立した集団になってくると、婿入りではなく、独立した集団に嫁入りする形式をとることになった。つまり、父系集団となった。
この父系制への転換が、女の意識に大きな影響を与えた。
父系制への転換によって、各々の集団から嫁が来ることになり、血縁関係の女集団による安心基盤があった状態から、何もつながりのない女集団、また全く違う慣習の中に飛び込むこととなった。これによって、女同士の共認内容に大きなズレがあったことは間違いない。
これだけの理由であれば新たな女共認が形成される可能性がなくはない。
しかし、ここで注目すべきは、女の意識として「あくまで元の集団が安心基盤であり、嫁ぎ先の集団は元の集団との関係を良好にするため、あるいは自分の扱いの良し悪しがどうか」という、集団を形成しながらも、女の意識に「みんな」→「自分」へと転換したことだ。
そして、女たちの「安心基盤」は「生まれた集団」にあり続け、嫁ぎ先の集団に期待したのは「自分の扱いが良くなるように、あるいは自分の嫁が嫁ぐときに豊かな生活を送ることができるように」という「蓄財期待」という形で現れた。
「集団がうまくいく」=「蓄財を増やしていく」ことが集団内で共認され、当然この期待の出所が「自分」であるが故に、「元の集団と嫁ぎ先の集団」、あるいは「女同士」の利害関係という意識が色濃く残った。
このように、母系制から父系制への転換によって、女の意識は「集団間」や「女同士」の利害関係によって「集団」から「財」、つまり「共有財産」から「私有財産」へと転換、この結果、女の嫁ぎ先での安心基盤は形成されず、「みんな」→「自集団」という意識が芽生えたのである。 |
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