共同体社会の実現
174466 国家(≒国民)に寄生する市場
 
渡辺卓郎 ( 36 東京 設計士 ) 08/04/19 PM01 【印刷用へ
過去、日本の市場の拡大の興隆が極限に達したのは、戦前の大陸進出の時期だろう。何しろ、朝鮮半島・台湾・満州帝国と、他国領土に手を伸ばしてまで列強に対抗しようとしたのである。そのとき、市場は今よりもずっと国家と緊密な関係にあった。

明治の開闢以来の富国強兵そして八紘一宇の理想の元、軍部と産業界は一体となり三井・三菱・日産ら財閥を先頭に大陸へと進出し、莫大な投資によって半島を独立させ台湾を近代化し、化外の地であった満蒙開拓が行われたのである。その資金源の中には阿片密売など道徳的に国家が関わるべきでないと思われる事業もあったが、それは民間企業の手によって秘密裏に進められた。

【日本を守るのに右も左もない | 日本支配の構造5 阿片戦略2〜満州国〜 リンク 】

結局、日本の敗戦によってこれらの事業は全て水泡に帰したが、明治維新を担った武士の流れをくむ軍部の指導者達はほとんどが縊り殺されるか自害して責任を取った。一方、最もダーティーなビジネスに手を染めた連中は図々しくも生き延び、その系譜は現在でも産業界・政界・マスコミ界に途絶えることなく枢要を占めている。もちろん財閥解体などまやかしである。

まさに次の投稿が示しているとおり、都合の良い金儲けには邁進するが、その責任は国家に押しつけ逃亡するのが市場の正体である。

>それどころか、自ら(=市場の拡大)が作り出した貧
>困(⇒福祉)や戦争さえ、その遂行と尻拭いの全てを
>国家に押し付てきた。
31251 超国家・超市場論11 市場は社会を統合する機能を持たない】

それでも、戦前の企業はまだ自ら手を汚す気概があったが、現在の経団連を始めとする有力企業連の活動は国家に対する要求ばかりだ。度を超えた要求に留まらず、この集団の目的は日本人の税金を吸い取り、日本の国民を貧困に貶めてでも企業利益を優先することだ。バブル崩壊後の日本では、脱税と偽装請負と期間工いじめで大儲けする会社の番頭たちが厚かましくも政治に口を出すことで、日本の国富の甚大な流出が起きたのである。

そもそも日本人とも日本企業とも言えないようなこの吸血鬼共に、マスコミ・政治家達が牛耳られているのだから、彼らに日本にとっての有効な政策が出せるはずがない。むしろ、政府が市場の延命策を講じたり、マスコミが社会問題に首をつっこんで論じるほど、国家の破綻は現実のものとして目前に迫り来るのである。
 
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自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
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近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
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私権時代から共認時代への大転換
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民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
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大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
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