生物の起源と歴史
174134 カイメンの認識機能
 
野田雄二 ( 46 大阪 営業 ) 08/04/14 PM03 【印刷用へ
■カイメンの基本構造
カイメンは上が開いたつぼのような形をし、海底の岩などに固着している動物。体表の小孔とよばれる数多くの穴から水と食物をとりこみ、大孔とよばれる上端の大きな開口部から水をはきだしている。

内側の層に鞭毛をもった襟細胞が多く存在し、水流をおこす役目をはたしている。その水流に乗って運ばれてくるプランクトンを襟で捕えて餌とする。

体表と内側の層の間には中膠(ちゅうこう)とよばれる部分があり、ここでつくられるさまざまな形をした骨片が骨格を構成して体をささえている。

細胞は10種類程度が確認されており、主な細胞は以下の通り。

体表
・扁平細胞:上皮
・小孔細胞:入水孔
中膠
・造骨細胞:骨片を分泌
・原生細胞:捕食(細胞内消化)、生殖(卵)
・中膠:寒天質
・繊維質海綿質
内層:胃層
・襟細胞:水流を作る、捕食、精子を作る。

生殖方法は有性生殖と無性生殖があり、有性生殖の場合は襟細胞が精子を作り、原生細胞が卵子となる。無性生殖の場合は原生細胞が胞子のような役割を果たし、出芽により別の個体がつくられる。

カイメンリンク
水産動物学リンク

■外識機能
海綿は最も単純な多細胞動物で、まだ神経細胞をもたない。 彼らの感覚器官はやはり細胞体自身で海水濃度やPH,温度などに反応して吸水口を開閉する種がいる。 襟細胞の鞭毛運動にも影響を与える。 感覚細胞と効果細胞の間の連絡は電位差が細胞体を直接わたって行く。

自然史論争リンク
飯島魁教授のガラス海綿類の研究とその後の展開リンク

■同類認識
カイメンは、体を構成する細胞を解離しても、再集合し機能的な個体を再構築する。種類の違うダイダイイソカイメンとムラサキイソカイメンの細胞をバラバラにして、細胞を混ぜておくと自然とダイダイイソカイメンとムラサキイソカイメンに分かれて再集合する。バラバラになった細胞はアメーバのように仮足(かそく)を伸ばして動きまわり、自分と同種の細胞と出会うと接着(せっちゃく)し、そうでなければ離れるということを繰り返す。

また、同種間であれば移植手術が成功することから、カイメンの細胞は個体識別まではしておらず、同種、異種だけを見分けている。

最も原始的な多細胞生物であるカイメンは、細胞どうしが互いを特異的に認識しあって結合したものであることが、20世紀初めにH. V. Wilsonにより見つけられた。その後、実に90年経た20世紀末になって、カイメンは細胞どうしが糖鎖と糖鎖、糖鎖とタンパク質の相互作用によって結合し個体を作り上げていることが明らかとなった。

その中でも主要にカイメンの細胞結合を担っていると考えられているのがカドヘリンというタンパク質によるカドヘリン結合。カドヘリンは現在120種類以上が見つかっている。おそらくすべての細胞は一種類以上のカドヘリンを作っていると考えらる。同じ型のカドヘリンどうしは結合することができるため、同じ型のカドヘリンを持つ細胞どうしが接着する。

バラバラになった細胞はアメーバのように仮足(かそく)を伸ばして動きまわり、自分と同種の細胞と出会うと接着(せっちゃく)し、そうでなければ離れるということを繰り返す。

参考
分子生物学から見た進化 第8回リンク
第3 回細胞から組織ができているリンク
海綿の再生リンク
ポストゲノム研究のトップランナー「糖鎖コドン」リンク
「糖鎖コドン」動画リンク


■内識機能
カイメンの内識機能を担っているのが原生細胞(マクロファージ)。原生細胞は襟細胞から受け取った食物を消化し、体表などにある他の細胞に栄養分を運搬したり、老廃物を集めて排出したり、ウイルス感染などで死んだ体内細胞を食べたりしている。

原生細胞(マクロファージ)は刺胞動物の体壁にもアメーバ細胞としてあり、体液が分化する以前の生物にとっては栄養物のやりとりはマクロファージによったと考えられる

参考
カイメンの免疫機能リンク
 
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