生命原理・自然の摂理
17402 セロトニンの不思議、その3
 
吉国幹雄 ( 48 鹿児島 講師 ) 01/11/29 PM01 【印刷用へ
「その2」で触れた後半の問題です。前半の問題と絡むところですが。

日経サイエンス別冊の「進化する脳」で紹介されている記事です。

「ローリらは、セロトニンが霊長類の世界で、社会的地位と密接な関係があることを示した。群れ(社会集団)の中の雄のベルベットモンキーを研究したところ、5-HIAAというセロトニン代謝産物が低レベルのサルは地位が低いことが分かった。驚くべきことに、シナプス間のセロトニン濃度を高めるような薬をサルに与えたところ、そのサルの社会的地位にも影響を及ぼした。」

「数週間続いた一連の実験の間、雄の地位が変わる前には、決まって雌ザルとの付き合い方に変化が見られた。セロトニンを増やす薬を与えられた雄ザルは、雌ザルとのグルーミングによる交流がより頻繁になり、それに続いて、雌からの支持を得て、地位が高くなった。逆にセロトニンを減らす薬を与えられた雄ザルは、…(上記の反対で、引用者による省略)。地位の低い従属的なサルは興奮しやすく、他のサルに殴りかかることも多かった。」

要は、セロトニンが多いサルは社会(もちろんまず雌)に受け入れられて上位に立つが、そうでないサルは反社会的行動をおこしやすいということなのですが…。この手の報告には絶えず注意が必要で、サルがどのような環境(外部・内部)にあるのか、他の種のサルではどうであったのかなどなどの問題と、観察者の価値観(固定観念)の投影の問題がありますから。

ただ、この実験を一応現象的に認めるとして、また前回のセロトニンの基本的な働き「安定化(秩序化)ホルモン」であると考えた場合に、セロトニンの不足が活性状態(興奮状態)を作り出すことは予想されることです。セロトニンによる調節力が弱まれば、刺激が強くなり、危険と好機の両方に対する感受性がたかまる。

そして、感受性が強まると、不安やストレスなどを引き起こし、現代病といわれる、抑うつなどの気分傷害に繋がるのでしょう。おそらく、うつ状態とそう状態はセロトニン分泌の減少の程度によると私は思います。これは、一種のホメオスタシスではないかと思います。抑制物質が極端に少ないとそれを増やそうと興奮(活性)物質一気に増える。そんな関係ではないかと思います。

見方を変えれば、危機状況に対してはアドレナリン系の活性物質が働くと思いますが、それを誘導するのがセロトニンの減少ではないでしょうか。おそらく、これほどに古くから存在し現存する動物でも中枢で作動する根源的なホルモンであるセロトニン。
いまだ働いているということからも、進化と直結する働き、安定と活性に深く関わってきたのでしょう。そうすると、集団や社会の危機状況にあっては、集団としても個体としても、総体としてセロトニンが減少してくるというのは容易に予測されます。

そう考えれば、現代病は個体としては幼児期の親和欠損など子育ての問題によるところに原因を求められるかもしれませんが、種として見た時に、これほど、現代人が「うつ気質」になっていることは、まさに危機状況に瀕しているからと捉えられるのではないでしょうか。
だから、この現代病の現象からは、あとは危機逃避の回路が開くのを待つばかりということなのですが…。種々の問題はあるでしょうが、私はパラダイムシフトの期は熟してきたように思えます。
 
  List
  この記事は 17400 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_17402
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
超国家・超市場論9 私権闘争の抜け道が、交換取引の場=市場である
超国家・超市場論10 何をするにもお金がかかる社会
お金〜ことわざより〜
市場と国家の共犯関係
超国家・超市場論11 市場は社会を統合する機能を持たない
超国家・超市場論12 市場の拡大限界は、国家の統合限界でもある
潮流4:輸血経済(自由市場の終焉)
潮流5:失われた40年
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
市場の起源、原資拡大の方法、その真実の姿
金貸しの存在構造、不換紙幣の成立
国家債務危機〜ジャック・アタリ氏から21世紀を読み取る3
現実に社会を動かしてきた中核勢力
統合階級の暴走で失われた40年
米国債デフォルト:金融勢力の狙いは旧紙幣の廃棄
国債暴落後の世界経済はどうなる?
経済破局の下で秩序は維持できるのか?
国家紙幣によるゼロ成長の経済運営
学者・官僚・マスコミは、骨の髄まで金貸しの手先である
劣勢のロックフェラー勢は日本篭城計画を進めるしかなくなった
バブルとバブル崩壊〜金融資本主義の罠を仕掛けたロスチャイルド勢
40年の長期戦略を持ってEU統合と世界の多極化を進めてきた欧州貴族
闇の勢力争いの現状分析〜闇の支配勢力研究家の諸説をどう読むか。
「特権階級の世界」と「大衆の世界」〜2つの世界の断絶と接点は?
民間銀行から「信用創造・破壊権」を取り上げ中央銀行を国有化すればすべては解決する!
アメリカ、欧州で反金融の階級闘争が勃発か
金貸しは目先の利益追求に追われて、地球を破壊してきただけ
マネー経済の急拡大
マネー経済拡大の原因 Aグローバリゼーション
電通を媒介にしたアメリカによるメディア支配
世界中を巨大市場化していく諜報機関
ロックフェラーVSロスチャイルド 2大企業群
「ロックフェラー 対 ロスチャイルド」って何?(2)
「アメリカに食い尽くされる日本」を読んでA
9・11テロはアメリカの自作自演という世界世論
FRBは、アメリカ闇の勢力の中核部

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp