心の本体=共認機能の形成過程
174000 充たされるために必要なことは個性ではなく役割
 
本田真吾 HP ( 壮年 香川 建築家 ) 08/04/12 PM00 【印刷用へ
高々20年から30年で、『個性』という言葉の意味さえ、どんどん中身が薄くなっている。もともとは、他者に左右されない、際立った行動や考え方をする人を形容する言葉であった。例えば偉人の類を賞賛したり、頑固者を卑下したりする言葉であった。それは、極端な性格という意味を含み、その両極の間には、数多くの健全な人がいた。

しかし現在、大多数を占める普通の人間の、ごく微小な違いに注目し、キャラとか服装とかまでを、あたかもその人が存在するために必要な識別記号として『個性』と呼ぶようになった。また、自己中まで、あたり障りの無く『個性の強い人』と呼ぶようにもなった。

ここで、個性が大切という教育は、戦後の個人主義教育に端を発するものだが、これほど個性が叫ばれるようになったのは、この20年程度の仲間収束の潮流のなかで、際立って目立つ性格や行動をとる人が居なくなって(≒個性がなくなって)きてからという事実は注目に値する。

これは、仲間収束をしているが(集団)課題が無いということに、密接に関係している。人類は集団動物であり、さまざまな外圧に集団として適応してきた。その際に、集団で外圧を突破するために、集団としての課題が認識され、それを実現するために構成員ごとの分担された課題と、それに対応する役割が登場する。

そして、その課題(=期待)に応えれば評価され充足できる。そうすれば、周りから必要とされているという実感も湧いて来て、あえて外圧と関係の無い『個性』を自己定義する必要も無かった。ところが現在、仲間集団に中では、明確に課題が認識できず、ただ集まっていることだけが目的と化している場合が多い。

だから、真っ当な役割とそれを達成したときの評価充足が無いというなかで、なんとか自分のポジションをみんなにはっきり認識してもらう必要が出てくる。そのためには、少しでも違う何かが必要だと感じるようになる。これと、マスコミ等があおる個性尊重の旧観念がピタリとシンクロしてしまって、個性を無理やりにでも自己定義しなくてはいけないと感じるようになる。

本来であれば、集団としての外圧を捉え課題化し、みんなに期待された役割を全うすることで、みんなから必要とされていると感じる高い充足が得られる。ところが、個性尊重という言葉でものを考えたとたんに、(集団)外圧は捨象され、役割も評価も不鮮明なままになり、ますます充足から遠ざかっていく。

これを反転させるには、まずこのような構造を理解すること。そして、誰でも持っている、より高い充足を求めているという潜在思念を感じ取ること。そして、先の構造の分析をもとに、この潜在思念を実現するために紡ぎだされた、新しい認識の吸収に励むこと、になる。
 
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