遊牧部族の父系私有婚(一夫多妻)
173351 婚姻史をめぐる課題
 
北村浩司 ( 壮年 ) 08/04/02 AM00 【印刷用へ
現在るいネットでは父系制(家父長制)への転換が、私権社会への移行の起点となっていると考えられている。しかし、この論理を検証し固めていく上でいくつかの課題が存在すると思う。ひとつは史実の裏づけである。私の知る限りでは、リュエス・モルガンが「古代社会」の中でセム・ハム族(遊牧系)が最初に家父長制へと転換したことが記されているが、これだけではまだ史実としての根拠がやや貧弱に思われる。
また、るいネットでは、人類は(集団規模が拡大し、集団分割が行われて以降は)母系集団であったと考えられているが、この点においては現在一部のサル学者を中心に反論があるようである。つまり彼らはチンパンジーやゴリラなどの類人猿の事例に依拠し、元々人類は父系集団であると主張しているのである(山際寿一氏等)。さらに彼らの一派や少なくない人類学者たちは、狩猟系の未開部族(広域にわたって遠征狩猟を行う)の事例等により、人類はそもそも原始時代より家族を単位に生活していたと考えているようである。どうも彼らは原始共同体の存在に対して否定的であるようである。言うまでも無くこれらの説は、共同体論や父系起点説等の根幹に関わる問題である。従ってこれらの説に対する、史実と論理両面からの検証や反論を行ってゆく必要性が極めて高いと思われる。
 
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