社員の活力を引き上げるには?
172814 部下たちも活き活きと闘う上司を求めている
 
本田真吾 HP ( 壮年 香川 建築家 ) 08/03/21 PM11 【印刷用へ
序列原理から共認原理へ移行する中で行き詰った中高年は、主観的にはなんとかしようと、『古い時代なら通用した成功体験に胡坐をかき、追及すること=努力することをやめてしまっては駄目だ。』というような総括をしがちだ。しかし、一向に改善していかない。

それは何故か?まず、同類闘争がわかっていない、また、同類闘争は組織力でしか勝てないことがわかっていない、の2点が原因だろう。

まず、人や人からなる組織同士が闘うとき、その闘争能力の差は、ライオンとシマウマのように本能的絶対差があるわけではない。同類の能力は基本的に同じだから、僅差の中、闘争途中では、勝ったり負けたりしながら、最後まであきらめず追求し続けたものが、指の差一本で勝つという感覚だ。

それは、拮抗した能力の戦いだから、無傷で勝つことなどまずない。だから、勝った時でも、傷だらけ、血だらけでボロボロになっている。ただし、勝ってしまうと、周りはその僅差をほとんど意識せずに、絶対に近い高い評価を受けることになる。

『僅差の勝利の蓄積が、大きな評価の格差となって、生死を分けてゆく(127844)』

共認闘争の勝利とはこのようなものだ。それに対して、

序列原理の中の闘争勝利とはどういうことか?この中身は、序列原理を利用して、その地位や権威を得たならば、上も下もそれ以上闘わない状態が共認されたということだ。だから、闘い続けた上での勝利ではなく、闘わないで済む上位の階級を手にしたという勝利なのだ。

ここで、序列原理と共認原理の『闘争』の意味の違いが重要になる。平たく言うと、いつも闘い続けていくのが共認闘争で、上になると闘わないのが序列闘争ということだ。そして、共認闘争では、闘いつづけることで評価共認が確定し、その共認すら時間がたてば変わって行く。

ところが、中高年問題を中高年自身が総括するとき、おおむね序列原理のような、明快な擬似能力差(実態は序列の上下差)を前提にし、それがないからダメだということになりがちだ。例えば『指導者としての能力が無いからダメだ』などだ。この総括自体が序列原理から抜け出せてない証なのだ。

なぜならば、同類闘争は僅差の中、闘い続けることだから、まっすぐみんなで決めた課題に向かえばいいだけだ。そして、その評価は、出来たか出来なかったの前に、常に創意工夫して、強く勝つ(=実現する)ことを意識して実践しているかどうかにかかっている。部下もそこを見ている。

また、共認原理での評価は、序列原理のような単純なものではない。そこには、役割・能力特性など、たくさんの軸があり、多様な評価が可能だ。そして、その評価軸に応じてたくさんの役割がある。たとえば、女性の、充たされた表情が、きつい闘争の支えになっているなどはいい例だ。

しかし、序列を意識すると、明確な評価(本質は序列の上位)をもとめることが最初の目的になり、それが得られそうも無いからダメだという倒錯した判断になってしまう。そこには、共認原理では、評価軸そのものが多様で一元的には決まらず、かつ、流動的で活動成果に応じて常に変化している、という認識が無い。

だから、『指導者の名に恥じぬように○○し無ければならない』などの、序列原理上の古い規範で、現実を変えようとしてしまう。この場合、指導者という言葉を自体、序列上の身分のように固定的に捉えている。

ところが、共認原理では、自己定義した指導者像より、組織として勝って行くために、自分はどんな役割が担えるのか?という視点の方が重要だ。この視点が、『自分からみんなへの転換』であり、共認時代の指導者に求められていることなのだ。

このように共認原理に転換した現代、部下たちも、序列原理のような絶対的上司など求めていない。あるのは、みんなで勝って行くために、どのような役割を果たしてくれるのか?どのようにみんなの共認中心になって、活力をあげてくれるのか?という思いだけだ。

ようするに部下は、最終成果がどうこう言う前に、傷つきボロボロになっても、外圧に対して活き活と闘う上司を求めているのだ。その行為自体が、現業の、とりわけ部下の、活力と成果を決するのだ。これがあって初めて、組織としての闘争勝利が期待できるのだ。
 
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