生物の起源と歴史
171260 環境が本能を変える?〜アカカンガルーの事例
 
田野健 HP ( 47 兵庫 設計業 ) 08/02/21 PM04 【印刷用へ
先日、NHKの「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」でアカカンガルーの特集を放映していました。地球温暖化の影響で環境が激変した為オスとメスの個体数に著しい格差が生じ、オスが性闘争を放棄するという現象が報道されていました。環境(=外圧)が本能を規定する一例として報告します。

以下、番組の内容をうまくまとめられていた「Viral Article」リンクさんの記事より拝借します。
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>アカカンガルーのオスは一日中走り回ります。100キロ以上も走るものもいるそうです。なぜ、走るのか・・・
それは「メス」を見つけるためです。

アカカンガルーはオーストラリアの広大な砂漠に群れではなくそれぞれ個体で住んでいるために、メスを見つけるのが大変です。
さらにメスが発情するのは80日に3日だけと非常に短いのです。
広大な砂漠を探し回ってようやくメスに出会えても、出会ったメスが発情している確立は100分の1。

オスは常にメスを探しつづけなければいけないわけです。
また、より強い個体を生み出すためメスはさらに試練をオスに課します。

出会ったオスのプロポーズをすぐにうけいれず、いっしょについてきてもらい、次に出会ったオスと戦わせます。
そして、勝った方のオスともに、あらたなオスを探して移動します。
こうして、最終的に勝ち残ったオスをパートナーとして認めるのです。

これまでの生活では、メスはなにもしなくてもオスが探し出してくれてました。さらに、メスはオスを選ぶこともできました。
ところが、ここ数年オーストラリアでは旱魃が続き、アカカンガルーのオスは6割が餓死してしまいました。
メスはオスに比べて体が小さい分、少ない食料でも生き残れたのですが、その結果オスよりメスの方がはるかに多くなってしまったのです。

状況、環境が正反対になったとき、メスたちはどうしたでしょうか?
番組ではメスからプロポーズをするようになったと報告されていました。
今までは「待っていた」メスは自ら「行動」するようになったのです。
つまり、180度違う生活パターンです。

「種を保存する」、という目的を達成するために、メスは自らの生活様式・行動を変えてしまったのです。
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この事例は、本能とは何かを物語っている。
本能とは外圧に適応する為に獲得された内識機能であり、外圧が変化すればそれに合わせて本能も変化する。特に外圧が急変すれば以外にも簡単に変化する、種の保存と連動する性闘争本能とはそういう位置にあるのかもしれない。
番組ではオスにプロポーズし始めた雌に注目しているが、むしろ性闘争を放棄した?雄に注目すべきだろう。哺乳類は須らく、雄の性闘争本能を強化させることで種を存続し多様に進化適応してきた。雄雌の個体数格差が極端に顕在化したアカカンガルーの事例はその意味では絶滅種に近づいているとも言える。

アカカンガルーの事例、どこか似ている。
性捨象している現代人の男達にも通じるところがあるのかもしれない。決して絶滅種の一例と傍観している場合ではない。
 
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