日本人の起源(縄文・弥生・大和)
169388 独り負けの日本
 
渡辺卓郎 ( 36 東京 設計士 ) 08/01/20 PM07 【印刷用へ
■日本を守るのに右も左もない | 北欧スタイルの経済政策を考える!
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↑のエントリーのように、ユーロ、特に北欧の経済が好調です。スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークの北欧諸国は行政の公正さ・労働時間の短縮・人権・男女平等・福祉などの政策を推し進めてきました。これは、富の再分配や貧困の解消においては有効なものの、バラマキ政策や労働活力を削ぐ結果を生み、いわゆる「小さな政府」を指向する自由経済主義者からは批判の対象となってきました。

しかし、現時点での国の豊かさをGDP指標で見る限り、世界の中で負けているのは日本であって、成功しているのは北欧です。近年では、EU経済圏を牽引しているのは北欧、とまで言われています。

確かに、日本のGDPは、1993年の宮沢内閣あたりを頂点として、先進諸国の中で唯一成長を止め、相対的な地位が低下しているようです。

■OECD諸国の一人あたり国内総生産グラフ
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下は日本と北欧諸国を比較したJANJANの記事です。グローバリズム=アメリカへの従属強化政策を進めた結果、日本の生活水準はどんどん低下し、企業ばかりが肥え太って普通の人は貧困に陥ってしまいました。

■政治・経済も人権も“一人負け”の日本
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はっきり申し上げてしまえば、ドイツやフランスが失業が深刻だとか、暴動が起きているとか、サルコジがどうの、ロワイヤルがどうのと、日本人が偉そうに評論している場合ではないのです。「北欧が停滞」、などはもはや笑止千万です。停滞、いや後退しているのは我らが日本です。

そもそも、労働時間が短く、4時で仕事が終わりで、5時には既にデートや親子で散歩客で国会議事堂前も占拠されてしまう、そんな国と、夫婦二人でやっと300万、あるいは、貯金さえない人も多くて、結婚さえ選択肢に入らないという国を比べてどうですか?
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アメリカに追従していればなんとかなるはずが、当のアメリカは日本から利益を吸い取るだけで、自分たちはちゃっかりとクリントン時代には課税強化など所得再分配政策に努め、2000年には財政黒字に転じています。

株価の動きを見る限り、アメリカの店子(≒奴隷)である日本は、アメリカの景気動向の影響(しかも悪い方だけの)を受け、アメリカが好転しても没落したままです。

アメリカの二重政策は顕著で、諸外国には強烈な自由主義を求める一方、内政は意外とネオコン主導でもなかったりします。ネオコン政権と言われたブッシュは富裕層優遇政策を採りましたが、それも08年で終わりです。

「もうアメリカはお終いだ」とは数十年前から言われてきたことですが、着実な成長を遂げているのはアメリカで、90年代からガタガタなのが日本です。

■日経平均過去20年の動き
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■NYダウ過去70年の動き
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■S&P500の50年の動き
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■ナスダックの30年の動き
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「日本は金持ちだ、東京の物価は世界一高い」と自嘲を含んだ自慢も、既に10年以上前の昔話になってしまいました。日本人は円でしか買い物をしないので気がつきにくいのですが、世界の主要都市で比較すると、東京の土地・建物・物価は激安です。先進国主要都市で500円でランチが食べられる国など、もうどこにもありません。

もちろん、激安でみんなが買ってくれるのならまだ良いのですが、低値で安定しているということは魅力がない、ということを意味します。

今、欧州に海外旅行に行ったりすると、物価が高くておみやげが買えなかったりお昼ご飯が食べられません。かつて、老後の悠々自適の生活を夢見たリタイア組が、物価の安かったスペインなどに移住するブームがありましたが、彼らは続々帰国しているらしいです。円で受けとる年金がユーロ高(というか円安)のせいで6割くらいに目減りしているからです。

■あいのり
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スイスではマクドナルドの小さなセットが1,000円、ビックマック1個約550円。卵10個で約430円、トイレットペーパーは2ロールで約380円。大卒の初任給は約60万円。ファーストフード店のアルバイト、高校生でも時給約2,000円。

■意外に高い?!イタリアの物価 - [イタリア]All About
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イタリアの立ち飲みコーヒー350円、炭酸の抜けたコーラ1000円、大衆食堂でランチ4000円、こじゃれたリストランテのランチは1万円強は当たり前。

■最高はNY5番街、韓国は銀座抜く 世界の商業地区家賃
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世界の有名商業地区の施設賃料(円/坪に変換 ※1$=110円)
1 ニュヨーク・5番街周辺 274万/坪
2 パリ・シャンゼリゼ通り 226万/坪
3 香港・銅鑼湾 196万/坪
4 ロンドン・オックスフォード通り 170万/坪
5 シドニーピット・ストリート・モール 123万/坪
8 ソウル・明洞 95万/坪
10 東京・銀座 79万/坪

■NYタウンウォッチ: 老舗ホテルが高級コンドミニアムに 最高分譲価格は46億円!
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築100年の老舗ホテル「プラザホテル」が超高級コンドミニアム(分譲マンション)に改装。販売単価は坪2400万円(→10坪のウサギ小屋ワンルームでも2億4千万円)。
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※ちなみにビンテージマンションで有名な広尾ガーデンヒルズはまだ築20年程度ですが、中古の販売単価はたったの坪600万円。

こうした凋落傾向に対して政治はどう対応しているか。
2008年の大発会でいきなり下げ相場を記録し、その後も記録的な下げ幅を続けている株式市場に対しての福田首相のコメント。

■東京市場の独り負けは国の無策が生んだ“官製暴落”|経済ジャーナリスト 町田徹の“眼”|ダイヤモンド・オンライン
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「昨今の株価というのは、日本経済のファンダメンタルズとはほぼ関係なく、海外の株式市場であるとか、あるいは米国経済、サブプライムローンの影響を受けたアメリカの株安の反映であります」

「どうみても、日本経済の実体と関係がないなという印象を持ちます」
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■大田経済財政担当相、「日本の経済は二流」
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大田弘子経済財政担当相は18日午後の衆参両院本会議で経済演説し、日本経済の現状を「世界の総所得に占める日本の割合は24年ぶりに10%を割り、日本は『経済は一流』と呼ばれる状況ではなくなった」と厳しく評価。「世界に向けて挑戦していく気概を取り戻す」と強調し、新たな経済成長のモデル作りに取り組む方針を示した。
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日本企業の底力が評価されているならば、米株価の下げに反して日本株に買いが入るはずです。それどころか、サブプライムローン問題の震源地アメリカ以上に投資家の離散が進み、株価がひどいことになっているのが東京市場です。

問題は福田首相のコメントの通り、「日本経済のファンダメンタルズとはほぼ関係な」いところにあるのです。

もはや、日本政府の無能・無策は市場から「カントリーリスク」(各国固有の危険要因)と見なされるに至っており、「日本はアメリカの一地方のようなもので、アメリカが没落したら共倒れになるだろう」、と評価されていることの証左です。

おまけに長期的に見ても人口減は不可避です。円が相対的に強いままであったなら、移民の受け入れという高飛車な選択肢もあり得たのでしょうが、今やそれどころではないようです。円が安く、成長の見込のない日本には頼んでも誰も来てくれません。このままでは日本人は日本を捨てて中国に出稼ぎに出なくてはならないかも知れません。

■人口が激減して老人だらけになって若者が消えてゆく恐ろしい人口ピラミッドグラフ
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■20年後、中国の経済力は日本の10倍に―香港の経済学者:レコードチャイナ
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中国のGDPは購買力平価(PPP)ではすでに日本を抜き世界2位の経済大国となったが、20年後にはGDPは日本の10倍にまで増加すると予測している。

張氏は日本の経済成長は中国より30年早く始まり、またそのスタート時の経済水準も高かったが、農作物の輸入を禁じ物価を上昇させたこと、為替レートの上昇を許したことという2つの失敗により経済成長は大きな打撃を受けたという。

中国も、日本と同じ轍を踏まぬよう注意する必要があると張氏は指摘、人民元上昇は食い止めなければならないと主張した。また、労働契約法、最低賃金などは経済成長にマイナスになると指摘、「中国の青年には自力で発展する機会を与えるべきで、最低賃金制度は何の役にも立たない」と批判、「改革の成功は中国人自身の発想の成果であり、最低賃金制度などは“西洋の二流思想”に過ぎない」と発言した。
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■イギリスの人口、60年後に日本を逆転。
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現在は日本の約半分にすぎない英国の人口が60年後に8000万人を超え、日本を逆転する見通しであることが英政府の人口推計で明らかになった。急ピッチの移民流入に加え、出生率が高位で安定するためだ。人口増は英国の潜在経済成長力を押し上げ、将来の国民の社会保障費負担も抑制される。人口減が確実視される日本とは対照的な展望だ。

英政府が改定した人口推計(中位)によると、移民流入の影響で今後15年間に総人口は毎年43万―$万人増加。子だくさんの移民の増加に伴い英国全体の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供数)は1.9前後で安定する。総人口は2028年に7000万人を突破。66年に約8100万人と現在の1.3倍に膨らむ。

一方、日本の政府人口推計(中位)では総人口は現在の約1億2770万人から46年に1億人を割り込み、65年に8000万人を下回る。
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GDPが真に国民の幸福度を示しているかどうかに議論はあるでしょうが、これらがバブル崩壊以降繰り返されてきた「日本売り」の結果であり、しかもその結果はGDPに変わる新しい指標によって戦略的に導き出されたものでもなんでもなく、ただひたすら政治と国民の怠惰によるものであることは間違いないと思います。
 
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169709 日本経済沈没報道のなぜ 狒狒 08/01/26 PM00

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